ファン・ボルム/牧野美加訳『ようこそ、ヒュナム洞書店へ』(集英社、2023)

ファン・ボルム/牧野美加訳『ようこそ、ヒュナム洞書店へ』 (集英社、2023)を読む。 ようこそ、ヒュナム洞書店へ (集英社文芸単行本)作者:ファン・ボルム集英社Amazon 「作家のことば」から引用する。 二〇一八年。 春から夏へと移り変わるころ、 わたし…

三好徹『小説ラストボロフ事件ーー赤い国から来たスパイ』(廣済堂文庫、1986)

三好徹『小説ラストボロフ事件ーー赤い国から来たスパイ』 (廣済堂文庫、1986)を読む。 佐藤優さん有料メルマガ「インテリジェンスの教室」 (Vol.262)2023年10月11日発行 <読書ノート>連読欄で紹介。 小説ラストボロフ事件―赤い国からきたスパイ (廣済…

鎌田式「たん活」を取り入れる

鎌田實『70歳、医師の僕がたどり着いた 鎌田式「スクワット」と「かかと落とし』(集英社、2019)から引用する。 70歳、医師の僕がたどり着いた 鎌田式 「 スクワット 」 と 「 かかと落とし 」作者:鎌田 實集英社Amazon 筋肉をつくる栄養素は「たんぱく質」…

「本のふくぶくろ」はじまる

近所のK図書館。 秋になると「本のふくぶくろ」が始まる。 一袋ごとに絵本三冊が入っていて中身は秘密。 でも、ヒントになる言葉が書いてある。 「ぼうしのほん」「まめ、まめ、まめ!!」「おえかき だいすき♡」 「すてきな にわ を つくりましょ」「おるすば…

鈴虫鳴けり番台辺り(塩田淳文)

クリッピングから 讀賣新聞2023年10月23日朝刊 読売歌壇(俵万智選) 今週の好きな歌3首、抜き書きします。 吸い過ぎは毒だと写真に言い聞かせ 好みの煙草二本だけ置く 東京都 伊藤直司 【評】写真は遺影だろう。 もう思いきり吸わせてやってもいいのだが、 …

松島芳彦『プーチンの過信、誤算と勝算ーロシアのウクライナ侵略』(早稲田新書、2022)

副島英樹『ウクライナ戦争は問いかけるーNATO東方拡大・核・広島』 (朝日新聞出版、2023)に引用された本書を連読。 松島芳彦『プーチンの過信、誤算と勝算 ーロシアのウクライナ侵略』(早稲田新書、2022)。 プーチンの過信、誤算と勝算: ロシアのウクラ…

池澤夏樹/山内マリコ評:多和田葉子『白鶴亮翅』(朝日新聞出版、2023)

クリッピングから 毎日新聞2023年6月24日朝刊 「今週の本棚」池澤夏樹評(作家) 『白鶴亮翅』多和田葉子著(朝日新聞出版・1980円) 白鶴亮翅作者:多和田 葉子朝日新聞出版Amazon はっかくりょうし、と読む。 白い鶴が翼を広げた姿で、太極拳二十四式の型の…

風鈴たちの喉の透明(toron*)

クリッピングから 讀賣新聞2023年9月14日朝刊 読売歌壇(俵万智選) 今週の好きな歌3首、抜き書きします。 ゆく夏のボーイソプラノ吊り下がる 風鈴たちの喉の透明 奈良市 toron* 【評】風鈴の高音とボーイソプラノ。 音だけでなく喉ぼとけの形や、 ボーイソ…

千葉聡『歌うカタツムリーー進化とらせんの物語』(岩波現代文庫、2023)

書店でタイトルに惹かれ手を伸ばし、 頁を繰るうちカタツムリの物語に引き込まれていった。 千葉聡『歌うカタツムリ ーー 進化とらせんの物語』 (岩波現代文庫、2023)を読む。 歌うカタツムリ 進化とらせんの物語 (岩波現代文庫 社会341)作者:千葉 聡岩波…

日本には自分の立場しかない(清沢 洌)

クリッピングから 毎日新聞2023年8月15日朝刊 「余録」 「日本はこの興亡の大戦争を始むるのに 幾人が知り、指導し、考え、交渉に当たったのだろう。 おそらく数十人を出でまい」。 外交史家、清沢洌が「暗黒日記」に記している。 戦時中、公言できない本音…

鹿島茂評:山口昌子『パリ日記Vーーオランド、マクロンの時代 2011.10-2021.5』(藤原書店、2023)

クリッピングから 毎日新聞2023年8月12日朝刊 「今週の本棚」 鹿島茂評(仏文学者) 『パリ日記Vーーオランド、マクロンの時代 2011.10-2021.5』 山口昌子著(藤原書店・5280円) パリ日記―特派員が見た現代史記録1990-2021 第5巻 オランド、マクロンの時代 …

佐藤優『それからの帝国』(光文社、2023)

優さんのモスクワ国立大学以来の親友サーシャとの その後が気になっていた。 佐藤優『それからの帝国』(光文社、2023)を読む。 それからの帝国作者:佐藤 優光文社Amazon(カバー写真:奈良原一高<静止した時間>より/カバーデザイン:秦浩司) 「まえが…

池上彰『新聞は考える武器になるーー池上流新聞の読み方』(祥伝社黄金文庫、2023)

コンビニで新聞を買うとき、必ず2紙購入するようになったのは 池上彰さんの助言を取り入れたからだ。 池上彰『新聞は考える武器になるーー池上流新聞の読み方』 (祥伝社黄金文庫、2023)を読む。 新聞は考える武器になる 池上流新聞の読み方(祥伝社黄金文庫…

課題出典:山内マリコ『パリ 行ったことないの』(集英社文庫、2017)

毎月1回、NHKテキスト「ラジオビジネス英語」連載 The Writers' Workshop(講師:佐藤昭弘先生)課題に取り組んでいる。 二か月ごとにテーマが設定され、 先生が選書し使用許可を得た本の一節を英文で書く。 NHKラジオ ラジオビジネス英語 2023年 8月号 …

100分de名著「林芙美子『放浪記』」(柚木麻子)

作家・柚木麻子の道案内で 林芙美子の作品に新鮮な光が当たった。 NHKテキスト「100分de名著/林芙美子『放浪記』」(著者:柚木麻子)。 林芙美子『放浪記』 2023年7月 (NHKテキスト)作者:柚木 麻子NHK出版Amazon 「はじめに 「不幸な人」だなんて、とんで…

洋菓子舗ウエスト『風の詩』(新風舎、2006)

銀座ウエストに寄るときは、 各テーブルに置いてあるPR誌「風の詩」を必ず手に取る。 一冊の本にまとまっているのを知らなかった。 洋菓子舗ウエスト『風の詩』(新風舎、2006)を読む。 風の詩作者:洋菓子舗ウエスト新風舎Amazon 銀座ウエスト店主・依田龍…

池上彰『知らないと恥をかく世界の大問題 14ーー大衝突の時代ーー加速する分断』(角川新書、2023)

この一年がどんな一年だったか。 ジャーナリスト池上彰さんの「知ら恥」分析を毎年参考にしている。 池上彰『知らないと恥をかく世界の大問題14 ーー大衝突の時代ーー加速する分断』(角川新書、2023)を読む。 知らないと恥をかく世界の大問題14 大衝突の…

黒田龍之助『ロシア語だけの青春』(ちくま文庫、2023/現代書館、2018)

名前の印象からか、もっと年上の方だと思い込んでいた。 1964年東京生まれ。 現在、神田外語大学特任教授。 黒田龍之助『ロシア語だけの青春』(ちくま文庫、2023) (『ロシア語だけの青春ーーミールに通った日々』(現代書館、2018)を読む。 ロシア語だけ…

信仰としてのジャーナリズム、アメリカフォビア(米国嫌悪)

池上彰さんが聞き手の名手であることを本書で再確認した。 エマニュエル・トッド/池上彰(通訳:大野舞) 『問題はロシアより、むしろアメリカだ ーー第三次世界大戦に突入した世界』(朝日新書、2023)を読む。 問題はロシアより、むしろアメリカだ 第三次…

池澤夏樹評:多和田葉子『白鶴亮翅』(朝日新聞出版、2023)

クリッピングから 毎日新聞2023年6月26日朝刊 「今週の本棚」池澤夏樹評(作家) 『白鶴亮翅』多和田葉子著(朝日新聞出版・1980円) 話題のゆるやかな推移 太極拳のごとく 白鶴亮翅作者:多和田 葉子朝日新聞出版Amazon はっかくりょうし、と読む。 白い鶴が…

手嶋龍一/佐藤優『ウクライナ戦争の嘘ーー米露中北の打算・野望・本音』(中公新書ラクレ、2023)

定期的に出版されるこの二人の対談本は見逃せない。 新聞・雑誌では得られない情報、識見がしばしば得られる。 手嶋龍一/佐藤優『ウクライナ戦争の嘘 ーー米露中北の打算・野望・本音』 (中公新書ラクレ、2023)を読む。 ウクライナ戦争の嘘 米露中北の打…

書籍広告:澤地久枝『記録 ミッドウェー海戦』(ちくま学芸文庫、2023)

クリッピングから 毎日新聞2023年6月10日朝刊 筑摩書房書籍広告(全5段) 澤地久枝『記録 ミッドウェー海戦』(ちくま学芸文庫) 3418名 この数字は、一人ひとりの名前でできている。 1942年6月、ミッドウェー海戦 日米戦死者数 「ミッドウェー海戦」を知る…

佐藤優評:池上彰『池上彰の「世界そこからですか!?」ニュースがわかる戦争・国家の核心解説43』(文藝春秋、2023)

クリッピングから 毎日新聞2023年6月10日朝刊 「今週の本棚」佐藤優評(作家・元外務省主任分析官) 『池上彰の「世界そこからですか!?」 ニュースがわかる戦争・国家の核心解説43』 池上彰著(文藝春秋・1760円) 池上彰の「世界そこからですか!?」 ニュー…

アガサ・クリスティー/山本やよい訳『オリエント急行の殺人』(早川書房、2011)

この3年半、毎月欠かさず取り組んでいる英文ライティング講座、 佐藤昭弘先生の「The Writers' Workshop」 (NHKテキスト「ラジオビジネス英語」連載)。 先生がご自身の幅広い読書体験から二か月ごとに異なるテーマを設定。 さまざまな領域の英文に参加者が…

誰もが自分のスペシャリストになれるのです(池内紀)

この本が2017年に出版されてほどなく、 図書館で予約して読んだ記憶がある。 今回およそ6年後に再読したら味わいが深くなっていた。 池内紀(おさむ)『すごいトシヨリBOOKートシをとると楽しみがふえる』 (毎日新聞出版、2017)。 すごいトシヨリBOOK トシ…

鎌田實『教えて! 毎日ほぼ元気のコツ 図でわかる鎌田式43のいい習慣』(集英社、2023)

クリッピングから 集英社読書情報誌「青春と読書」2023年6月号 インタビュー 鎌田實 『教えて! 毎日ほぼ元気のコツ 図でわかる鎌田式43のいい習慣』 ーー健康寿命を延ばすことに影響している要因として 「社会的なつながりの多さ」が挙げられています。 こ…

中井久夫『最終講義 ー分裂病私見』(みすず書房、1998)

Eテレ「100分de名著/中井久夫スペシャル」(2022年12月放送)で 指南役・斎藤環が取り上げた5冊のうちの1冊。 中井久夫『最終講義 ー分裂病私見』(みすず書房、1998)を読む。 最終講義――分裂病私見作者:中井久夫みすず書房Amazon 1997年3月5日、中井が神…

「いた」としか言いようのない猫だった(関村初美)

クリッピングから 毎日新聞2023年5月8日朝刊 読者投稿欄「女の気持ち」 猫がいた日々 朗読教室に通っている。 絵本の「100万回生きたねこ」をいつものように読み始めたのだが 突然、声が詰まり、涙まであふれてきた。 数日前、猫が死んだ。 ペットとか、飼っ…

フロマートカの新刊神学書を救出した

神保町の貸棚共同書店 PASSAGE(パサージュ)で借りている 「大王グループ」書棚に搬入した一冊。 『危機の時代の神学:フロマートカ著作選』(平凡社、2023)。 作家/元外務省主任分析官・佐藤優さんが10年かけて完成した神学書だ。 (大王グループ棚の本…

PASSAGEからPaper Back Cafeへ

神保町の貸棚共同書店PASSAGE(パサージュ)で借りている 「大王グループ」の棚に5冊搬入。 2月に続いて、今年2回目。 今回はスタッフ(su)さんがアシストしてくれた。 (新機軸・無料ボックス。展覧会チケット、PR誌バックナンバーを置いた) 一日店長を務…