歴史

高坂正堯『歴史としての二十世紀』(解題:細谷雄一)(新潮選書、2023)

高坂正堯『歴史としての二十世紀』(新潮選書、2023)を読む。 歴史としての二十世紀(新潮選書)作者:高坂正堯新潮社Amazon 「解題ーー高坂正堯が我々に託したもの」 (細谷雄一/慶應義塾大学教授)から引用する。 本書は、高坂正堯京都大学教授が 1990年1…

中西寛評:高坂正堯『歴史としての二十世紀』(新潮選書、2023)

クリッピングから 新潮社PR誌「波」2023年12月号(No.648) 「但し書き」の精神 高坂正堯『歴史としての二十世紀』(新潮新書) 中西寛(なかにし・ひろし/京都大学教授) 歴史としての二十世紀(新潮選書)作者:高坂正堯新潮社Amazon 本書の著者高坂正堯が…

1994年製造冷蔵庫が天寿を全うした(ご苦労さまでした)

冷蔵庫が壊れた。 国産T社製、1994年製造。 普通は12、3年が寿命らしい。 29年使えたのは相当珍しいことなのだそうだ。 この冷蔵庫を購入した町内の中型電機店は とっくに畳んでいる。 メーカーT社は家電事業(映像製品を除く)を 2016年に中国の企業集団に5…

エマニュエル・トッド/堀茂樹訳『我々はどこから来て、今どこにいるのか?(下)ーー民主主義の野蛮な起源』(文藝春秋、2022)

エマニュエル・トッド/堀茂樹訳 『我々はどこから来て、今どこにいるのか?(下) ーー民主主義の野蛮な起源』(文藝春秋、2022)を読む。 我々はどこから来て、今どこにいるのか? 下 民主主義の野蛮な起源 (文春e-book)作者:エマニュエル・トッド文藝春秋…

エマニュエル・トッド/片山杜秀/佐藤優『トッド人類史入門 西洋の没落』(文春新書、2023)

『文藝春秋』2023年1月号掲載の鼎談が面白かった。 新書化を待っていた一冊。 エマニュエル・トッド/片山杜秀/佐藤優 『トッド人類史入門 西洋の没落』(文春新書、2023)を読む。 トッド人類史入門 西洋の没落 (文春新書)作者:エマニュエル・トッド,片山 …

小川哲『地図と拳』(集英社、2022)

「本の雑誌」2023年1月号で作家・鏡明が SF部門で「註釈付き」第10位選出。 気になってメモしておいたら、 あれよあれよという間に直木賞(2022年下半期)受賞。 小川哲(さとし)『地図と拳』(集英社、2022)を読む。 地図と拳 (集英社文芸単行本)作者:小…

藤原辰史評:コンラート・H・ヤーラオシュ/橋本伸也訳『灰燼のなかから(上・下) 20世紀ヨーロッパ史の試み』(人文書院、2022)

クリッピングから 朝日新聞2023年1月28日朝刊 <読書欄> 『灰燼のなかから(上・下) 20世紀ヨーロッパ史の試み』 コンラート・H・ヤーラオシュ著 橋本伸也訳 (人文書院 各6050円) 評・藤原辰史 (京都大学准教授・食農思想史) 灰燼のなかから 上: 20世…

星野博美『世界は五反田から始まった』(ゲンロン叢書、2022)

タイトルがいい。 本書が取り上げた昭和20年5月の 城南大空襲についても知りたかった。 星野博美『世界は五反田から始まった』(ゲンロン叢書、2022)を読む。 世界は五反田から始まった (ゲンロン叢書)作者:星野 博美株式会社ゲンロンAmazon 「はじめに」か…

江口圭一『十五年戦争小史』(ちくま学芸文庫、2020)

加藤陽子先生(以下敬称略)の推薦とあって迷わず手にした。 江口圭一『十五年戦争小史』(ちくま学芸文庫、2020)を読む。 十五年戦争小史 (ちくま学芸文庫)作者:圭一, 江口筑摩書房Amazon 加藤の解説 「日本と中国の過去と未来を考えるための通史」から引…

加藤陽子評:E・H・カー/近藤和彦訳『歴史とは何か 新版』(岩波書店、2022)

クリッピングから 毎日新聞2022年7月2日朝刊 「今週の本棚」加藤陽子評/『歴史とは何か 新版』 E・H・カー著、近藤和彦訳(岩波書店・2640円) 歴史とは何か 新版作者:E.H.カー岩波書店Amazon歴史とは何か (岩波新書)作者:E・H・カー岩波書店Amazon 本書は…

鹿島茂コレクション2 『稀書探訪』の旅@日比谷図書文化館

M歯科治療終了後、日比谷図書文化館へ。 特別展「鹿島茂コレクション2 『稀書探訪』の旅」を覗く。 会場でもらった小冊子「展示作品一覧」から引用する。 (この小冊子だけでも入場料300円以上の値打ちがありそう。Photo:©Nao KASHIMA, NOEMA Inc. ) 収集家…

日本近代史の失敗事例は役にたつ(加藤陽子)

クリッピングから 毎日新聞2022年3月19日朝刊 「加藤陽子の近代史の扉」 武力をたのむ国は自滅する [露軍ウクライナ侵攻] 2年間続いた連載の最終回。 何が言いたいか端的に述べよう。 「現代の国際政治の専門家でもなく、 専門とする時代も異なる歴史家など…

近衛は危機を予測できなかった面がある(加藤陽子)

クリッピングから 毎日新聞2021年8月21日朝刊 「加藤陽子の近代史の扉」 外部から調達される危機 [「人ごと感」漂う日本 ] 危機に際して「人ごと感」漂う日本人の意識の源流を 加藤は近代史を紐解きながら明らかにしていこうと試みる。 (略) 舞台は1919年…

池上彰/佐藤優『真説日本左翼史ー戦後左派の源流 1945-1960』(講談社現代新書、2021)

この二人の共著はほぼすべて読んでいる。 「なぜ、いま、二人がこのテーマを」と気になった。 池上彰/佐藤優『真説日本左翼史ー戦後左派の源流 1945-1960』 (講談社現代新書、2021)を読む。 真説 日本左翼史 戦後左派の源流 1945-1960 (講談社現…

イアン・カーショー/福永美和子訳『ヒトラー 下 1936-1945 天罰』(白水社、2016)

下巻を読むのに1年半近くかかった。 上下二巻の翻訳には足掛け7年を要した仕事だ。 イアン・カーショー/福永美和子訳・石田勇治監修 『ヒトラー 下 1936-1945 天罰』(白水社、2016)を読む。 ヒトラー(下):1936-1945 天罰作者:イアン・カーショー白水社Ama…

なぎら健壱『関西フォークがやって来た!ー五つの赤い風船の時代』(ちくま文庫、2021)

タブレット純がパーソナリティを務めるラジオ番組 「音楽の黄金時代」(ラジオ日本、土曜17:55〜20:00)で紹介され、興味を持った。 タブ純が「解説/カンケリの似合うインテリ」を執筆。 なぎら健壱『関西フォークがやって来た!ー五つの赤い風船の時代』 …

白札ハイボールはいかがでしょう(たちのみ大王)

火曜と金曜の日暮れ時分から ひっそり開店する「たちのみ大王」。 公式ウイスキーボトルに サントリーホワイト(愛称:白札)を採用しました。 昭和4年(1929年)に国産ウイスキーとして 初めて発売された商品です。 ボトルに1923とあるのは創業者・鳥井伸治…

松岡正剛監修『情報の歴史21ー象形文字から仮想現実まで』(編集工学研究所、2021)

知的刺激をふんだんに与えてくれる世界同時年表・最新版が 25年ぶりに出版された。 松岡正剛監修/編集工学研究所&イシス編集学校構成 『情報の歴史21ー象形文字から仮想現実まで』 (編集工学研究所、2021)を読み、眺める。 情報の歴史21: 象形文字から仮…

佐藤優『新世紀「コロナ後」を生き抜く』(新潮社、2021)

佐藤優さんの講義録は毎回中味が濃く、 受講生とのやりとりの臨場感まで活字化されていて読み応えがある。 佐藤優『新世紀「コロナ後」を生き抜く』(新潮社、2021)を読む。 新世紀「コロナ後」を生き抜く作者:佐藤 優発売日: 2021/01/27メディア: 単行本(…

手嶋龍一『スギハラ・サバイバル』(新潮文庫、2012/単行本、2010)

前作『ウルトラ・ダラー』(新潮文庫、2007)に続いて連読。 手嶋龍一『スギハラ・サバイバル』(新潮文庫、2012)を読む。 スギハラ・サバイバル (新潮文庫)作者:手嶋 龍一発売日: 2012/07/28メディア: 文庫(『スギハラ・ダラー』、新潮社、2010を改訂・改…

理系思考が支える『キングダム』

クリッピングから 原泰久『キングダム』第54巻(ヤングジャンプ コミックス、2019) 巻末掲載「原泰久20,000字インタビュー」 キングダム 54 (ヤングジャンプコミックス)作者:原 泰久発売日: 2019/04/19メディア: コミック 漫画『キングダム』という偶然、 …

村山秀太郎『東大の世界史ワークショップ』(かんき出版、2016)

村山秀太郎先生の『10時間で歴史に強くなる 東大の世界史ワークショップ』 (かんき出版、2016)を古書店で購入。 東大の世界史入試論述問題11問の解法のヒント、 5箇所の穴埋め問題形式の解説が工夫があって面白い。 10時間で歴史に強くなる 東大の世界史ワ…

小野不由美『月の影 影の海(下)十二国記』(新潮文庫、1992)

小野不由美『月の影 影の海(下)十二国記』 (新潮文庫、1992)を読む。 月の影 影の海 (下) 十二国記 1 (新潮文庫)作者:小野 不由美出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2012/06/27メディア: 文庫 (神保町・三省堂書店で目撃したシリーズ最新刊刊行キャンペー…

村山秀太郎『中学生から大人まで よくわかる中東の世界史』(新人物文庫、2011)

スタディサプリ世界史講師・村山秀太郎先生の 初期の作品を借りてきた。 『中学生から大人まで よくわかる中東の世界史』 (新人物文庫、2011)を読む。 中学生から大人まで よくわかる中東の世界史 (新人物往来社文庫)作者:村山 秀太郎出版社/メーカー: 新…

小野不由美『月の影 影の海(上)十二国記』(新潮文庫、1992)

昨年11月のある休日、近所のK図書館で 「小説新潮」を読んでいたら なにやら大特集が組まれているのに気づいた。 「小野不由美「十二国記」最新刊刊行記念特集」。 辻村深月、萩尾望都が熱い特別エッセイを寄せている。 「いまさらガイド「十二国記」」に詳…

村山秀太郎『これ1冊! 世界各国史』(アーク出版、2019)

クリッピングから 朝日新聞2020年2月5日朝刊 アーク出版・書籍広告 歴史の面白さが堪能できる<村山世界史>の2冊! 「スタディサプリ」で世界史を勉強中の 村山秀太郎先生の著作が目に留まりました。 これ1冊! 世界各国史作者:村山 秀太郎出版社/メーカー: …

イアン・カーショー『地獄の淵から—ヨーロッパ史 1914-1949』(白水社、2017)

本文二段組み474頁、大部の歴史書であるのに読みやすい。 著者の思考が明晰であり、原文・翻訳が明快だからだろう。 イアン・カーショー/三浦元博・竹田保孝訳 『地獄の淵から—ヨーロッパ史 1914-1949』(白水社、2017)を読む。 地獄の淵から:ヨーロッパ史…

副島隆彦『日本人が知らない真実の世界史—覆される定説』(日本文芸社、2019)

副島版・世界史が登場した。 『日本人が知らない真実の世界史—覆される定説』 (日本文芸社、2019)を読む。 日本人が知らない 真実の世界史作者:副島 隆彦出版社/メーカー: 日本文芸社発売日: 2018/10/27メディア: 単行本(ソフトカバー) 本書は「世界の先…

イアン・カーショー『分断と統合への試練 ヨーロッパ史 1950-2017』(白水社、2019)

ヘーゲル『歴史哲学』、エリック・ホブズボーム『20世紀の歴史:両極端の時代』 を読んだときのような充実感が残った。 イアン・カーショー『分断と統合への試練 ヨーロッパ史 1950-2017』 (白水社、2019)を読む。 分断と統合への試練:ヨーロッパ史1950-20…

ウルリヒ・メーラート『東ドイツ史 1945-1990』(白水社、2019)

クリッピングから 週刊ダイヤモンド2020年1月11日新春号 知を磨く読書(佐藤優)第327回 ドイツ民主主義の近未来 ウルリヒ・メーラート著『東ドイツ史 1945-1990』 (伊豆田俊輔訳、白水社、2800円)を読むと、 現下ドイツの構造問題が1990年のドイツ再統一…