民族/ナショナリズム

アーネスト・ゲルナーを再読したくなった

アーネスト・ゲルナーの本を再読したくなったが、 勉強部屋と称する部屋の本の山脈からなかなか発掘できない。 2015年同志社大学・佐藤優講座で読んだ教科書の一冊。 ようやく「灯台もと暗し」の場所から発見した。 『民族とナショナリズム』(加藤節他訳/…

佐久間文子評:津野海太郎『かれが最後に書いた本』(新潮社、2022)

クリッピングから 新潮社「波」2022年4月号 かなしみと、不思議なおかしみ 津野海太郎『かれが最後に書いた本』 佐久間文子 (新潮社ホームページより) かれが最後に書いた本作者:津野 海太郎新潮社Amazon 『かれが最後に書いた本』は、 読売文学賞を受賞し…

先崎彰容『ナショナリズムの復権』(ちくま新書、2013)

NHK Eテレ「100分de名著」サイトを見ていたら 番組プロデューサーAの「こぼれ話」に目が止まった。 7月放送・吉本隆明『共同幻想論』の舞台裏エピソードだ。 引用する。 (略) ただ、いったい誰を解説者に据えるかということについては悩みました。 古くか…

イスマイル・カダレ『夢宮殿』(創元ライブラリ、1994)

アルバニアという国をご存知だろうか。 バルカン半島南西部に位置し、 北をモンテネグロ、コソボ、東を北マケドニア、 南をギリシャと国境を隣接する人口約300万人(2010)の国家である。 そのアルバニアにノーベル文学賞有力候補として 何度も名前を挙げら…

佐藤優講師・同志社神学講座全50回、修了

京橋の同志社大学東京オフィスで開講されてきた 佐藤優講師・神学講座が本日で修了。 2015年5月から4年8ヶ月続いた。 僕は全50回、一度も欠かさず出席した。 全プログラムは以下の通り。 「ナショナリズムと国家」(2015年度) 「キリスト教とナショナリズム…

民族的殺戮は美しい口実のもとになされる(アミン・マアルーフ)

クリッピングから 朝日新聞2019年6月19日朝刊 折々のことば 鷲田清一(第1496回) 民族的殺戮(さつりく)はつねに、 もっとも美しい口実—正義、平等、独立、人民の権利、 民主主義、特権に対する戦い—のもとになされる。 アミン・マアルーフ レバノン生まれ…

あなたは希望を象徴する存在ではなくなった(アムネスティ)

スクラップブックから 朝日新聞2018年11月13日夕刊 アムネスティ最高賞 スーチー氏への授賞取り消し ロヒンギャ迫害・言論弾圧「裏切り」 国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは12日、 ミャンマーのアウンサンスーチー国家顧問に授与した 「良心の…

佐藤優『佐藤優の集中講義 民族問題』(文春新書、2017/再読)

佐藤優『佐藤優の集中講義 民族問題』 (文春新書、2017)を再読する。 佐藤優の集中講義 民族問題 (文春新書)作者: 佐藤優出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2017/10/20メディア: 新書この商品を含むブログ (5件) を見る 「あとがき」から引用する。 本書は…

民族とナショナリズムを復習している

アントニー・D・スミス『ナショナリズムとは何か』(2018)を契機に、 スミスの他の著作を読み始めた。 邦訳のある『20世紀のナショナリズム』(1995)、 『ネイションとエスニシティ —歴史社会学的考察』(1999)の2冊だ。 20世紀のナショナリズム作者: ア…

アントニー・D・スミス『ナショナリズムとは何か』(筑摩書房、2018)

こうした渋めの著作をきっちり出版してくれるのが ちくま学芸文庫のいいところだ。 前々回の金曜日・紀伊國屋書店ツアーで見つけた一冊。 アントニー・D・スミス/庄司信訳 『ナショナリズムとは何か』(原著2010/ちくま学芸文庫2018)を読む。 ナショナリ…

中村文則『R帝国』(中央公論新社、2017)

安倍政権を支持する讀賣新聞夕刊に2016〜17年連載。 中村が描く未来社会には 昨今の日本政府を彷彿とさせる場面も出てくる。 この作品を讀賣グループ傘下で出版できる日本の方が、 言論の自由の点ではR帝国よりはだいぶましなのだろう。 中村文則『R帝国』(…

『佐藤優の集中講義 民族問題』(文春新書、2017)

出てほしかったような、ほしくなかったような そんな気持ちで手にした一冊。 『佐藤優の集中講義 民族問題』(文春新書、2017)を読む。 佐藤さんが2015年5月から16年2月まで 同志社大学東京サテライトキャンパスで講義したエッセンスが ぎっしり詰まった新…