我が家の食客猫ハエタロウの様子がどうもおかしい。
あんなにいつも食欲全開でご飯を食べていた猫が、
カリポリも濡れエサもほとんど手を付けず残してしまう。
まれに食べても小骨がノドにつかえているような仕草で
ケッケッケッと吐き出してしまう。
お腹のあたりの肉が落ち、体重も減っているようだ。
大型連休第5日。
まずはさておきハエタロウをカゴに入れ、
自転車でO動物病院に向かう。
O先生の診察の結果、歯肉炎が進行していることが分かった。
ご飯を食べたくても歯ぐきに物が触れると激痛が走り
食べられない状態であるのだ。
詰まるところウィルスと免疫力の闘いで、
ストレスなどで免疫力が弱まると
歯ぐき、鼻、眼など粘膜の柔らかいところに炎症を起こす。
完治はしない。
ビタミンEを含む注射で痛み、炎症を抑え、
まずは食欲を取り戻させるのが最優先。
二三週間して注射の効き目が弱まってくると、
再び痛みが出てくる可能性がある。
野生動物は歯がダメになると
食物を摂取することができなくなり、命取りになる。
ハエタロウは年齢は不明だが、
肉の付き具合、日頃の運動能力からしてまだ3、4歳ではないか。
りっぱな歯を持っているのは知っていたから、
まさか歯肉炎がご飯を食べない原因であるとは気づかなかった。
ハエタロウは我が家の食客であるからして、
できるだけの治療はしてやりたい。
猫たちと暮らす人間にとって、
O先生はいつも頼りになる人なのだ。
筋肉に打った注射はずいぶん痛かったようだが、
家に戻ってきたら、さっそく缶詰一缶分食べていた。
ハエタロウ、さぞや腹がへっていたに違いない。