高畠素之訳『資本論』をゆっくり読み進めている。
先日、自主プレミアム・フライディで
神保町を散策していて目に止まった。
家に帰ってサイト「日本の古本屋」で相場を調べた。
僕が登録している都内5区の図書館は
どこも所蔵していなかった。
翌週買いに来たら、見当たらない。
「あれ、売れちゃったかな」と書店主に尋ねたら、
「あると思いますよ」と別の場所から持ってきてくれた。
週をはさんで居場所が変わったのだ。
昭和2年から3年にかけて出版された本であちこちが綻び、
万年筆の書き込みがあるが僕は構わない。
読むことができ、価格も勉強してくれるならそれでいいのだ。
全5巻で3,000円。
外税で(…とは気付かなかった!)3,240円。
600万冊から検索するサイト「日本の古本屋」では
2セット出品されていた。
10,800円と30,000円(送料別)。
この値段だったら僕は買わない(買えない、が正しい?)。
古書価格というのは分からないものだ。
投機の対象になって高騰してしまったり、
佐藤優さんが講座の教科書に指定したばかりに
みんなが一斉に購入して価格が跳ね上がるなんてこともある。
(本人が苦笑して裏話を教えてくれた)
大澤真幸が『<問い>の読書術』
(神保町で300円)で勧めていた
廣松渉『今こそマルクスを読み返す』(図書館で借りた)を併読しながら
ぽつりぽつり高畠に取り組んでいる。
昭和3年と言えば僕の父が生まれた年だ。
激動の昭和をどこぞで乗り越えてきた古書の手触りが愛しい。
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- 作者: 廣松渉
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(文中一部敬称略)