大澤真幸が読む古典百名山『資本論』


きょうのスクラップブックから。
朝日新聞2017年4月16日朝刊。
「古典百名山大澤真幸が読む」。



大澤が取り上げたのが
カール・マルクス資本論』。
「ここ二百年間に出た人文社会系の本の中で
最も重要な本」と大澤は断言する。
以下記事から引用する。


   「私」は一人では自分が何者なのか、
   自分の価値を確信できない。
   他者に承認されて初めて自分の価値を知る。
   (中略)
   やがて「私」は自分を認めてくれる他者を崇拝し、
   その他者に支配されるようになるだろう。
   貨幣は、この「他者」のように商品(の所有者)を支配する。


この文章に続き、
大澤はこう締めくくる。


   この論理は、人が政治権力に従う理由、
   神を崇拝する理由の説明にもなっている。
   『資本論』の含意をくみ取れば、
   資本主義は結局一種の宗教、
   無意識の宗教である。



どうです?
ほとんどの人が通読した経験のない『資本論』を
手に取ってみたくなりませんか?



僕は高畠素之訳全5巻の第3巻まで読み進めました。
マルクスの草稿をエンゲルスが引き取って
執筆完成させたのが3巻から5巻まで。
もう一息で五合目です。



(文中敬称略)