分厚い岩盤を貫通して
向こう側の景色を見たような思いがする。
カール・マルクス『資本論』(原著2巻3巻編纂:フリードリヒ・エンゲルス)
(全5巻=原著は全3巻、高畠素之訳、改造社、1927-28)を読破した。
初通読を目標に、序文、注、図表などはほぼすっ飛ばして、
本文のみ読み切ることに注力した。
「資本」の動態に着目する思考の鋳型を手に入れたことで
世の中の見方が深くなったように自分でも思う。
「貨幣」を前提にしないマルクス経済学でないと
読み解けない領域があることも理解できた。
こうした「基本書」はいきなり読もうとしても挫折する。
以下の入門書・解説書をシェルパ・杖として使い踏破した。
●佐藤優『いま生きる「資本論」』(新潮社、2014/2017文庫)
●池上彰『高校生から分かる「資本論」』(ホーム社、2009)
●大澤真幸『<問い>の読書術』(朝日新書、2014)
●廣松渉『今こそマルクスを読み返す』(講談社現代新書、1990)
●鎌倉孝夫・佐藤優『はじめてのマルクス』(金曜日、2013)
●宇野弘蔵『経済原論』(岩波書店、1964/2016)
●池上彰・佐藤優『希望の資本論』(朝日新聞出版 2015/2016文庫)
2017年2月21日に神保町・山陽堂書店で
『資本論』を日本で初めて翻訳した高畠素之訳全5巻を3,240円で購入。
6ヶ月弱かけての初読破だった。
(古書サイト「日本の古本屋」で本日8月12日現在、
税別/送料別5,000〜30,000円で複数出品あり)
定番の向坂訳、岡崎訳より高畠訳が僕には性が合ったようだ。
現在佐藤優さんが徳間書店と数年がかりで
高畠訳復刊を準備している。
いずれ復刻版が書店の棚に並ぶ日も来るだろう。
初踏破の達成感を足がかりに本書の再読、三読、
マルクス・エンゲルス山脈の関連書籍の探索へと向かう。
- 作者: 佐藤優
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2017/01/28
- メディア: 文庫
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- 作者: 池上彰
- 出版社/メーカー: ホーム社
- 発売日: 2009/06/26
- メディア: 単行本
- 購入: 11人 クリック: 53回
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- 作者: 池上彰,佐藤優
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2016/06/07
- メディア: 文庫
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知的難解領域探索に信頼性の高いシェルパ)
(文中敬称略)