サメが 悩めば ヒラメが 悔やむ(プレヴェール)


本日年休。
ゴロゴロしすぎないように注意して、
普段通り、洗濯(我が家はコインランドリー)、
買い物、掃除に勤しむ。
すきま時間に駅そばK図書館へ。
ここは月曜日も17時まで開いている。



スクラップブックから。
毎日新聞2017年9月24日「今週の本棚」
沼野充義評/ジャック・プレヴェール著『プレヴェール詩集』
岩波文庫、2017/小笠原豊樹訳)



   特に好きな詩人が三人いる。
   日本の谷川俊太郎
   ポーランドヴィスワヴァ・シンボルスカ
   そしてフランスのジャック・プレヴェール(1900-77)だ。


   その三人のうちの一人、プレヴェールは
   かつて出た翻訳が絶版のままで、
   日本語で読むのが難しくなっていた。
   それが岩波文庫で復活した。
   定評のある小笠原豊樹の訳である。
   そのうえ、なんと、谷川俊太郎の解説までついている。
   出ると知って、嬉(うれ)しくなって、すぐ入手した。
   (中略)



   不幸せに満ちているこの世なのに、
   プレヴェールは現世を力強く肯定する—


     「天にましますわれらの父よ
     天にとどまりたまえ
     われらは地上にのこります
     地上はときどきうつくしい」


     「この世のすべてのすばらしさは
     地上にあります。
     あっさりと地上にあります」
            (われらの父よ)
   (中略)


   またプレヴェールの「悲しい生きものたち」には、


     「サメが 悩めば ヒラメが 悔やむ」


   という可笑(おか)しな訳文が出てくるが、
   これは岩田宏の「いやな唄」の
   言葉遊びに満ちたリフレイン


     「無理なむすめ むだな麦
     こすい心と凍えた恋
     四角なしきたり 海のウニ」


   を思い起こさせる。


   書き忘れていたが、
   じつは岩田宏というのは、
   本書の訳者、小笠原豊樹の詩人としての筆名である。
   それでよくよく考えてみると、
   私には特に好きな詩人が三人ではなく、
   四人いるようだ。
   四人目はもちろん岩田宏である。



「今週の本棚」二週分まとめ読みして、
コインランドリーに戻る。
洗濯物を乾燥機に移して、あと45分。


岩田宏詩集

岩田宏詩集

続・岩田宏詩集 (現代詩文庫)

続・岩田宏詩集 (現代詩文庫)