スクラップブックから
朝日新聞2018年2月27日朝刊
ネット点描
新たな情報弱者 キーボード使えない若者
「ダブルクリックって?」
「セルって何ですか」。
IT企業の新入社員研修を請け負う
ウチダ人材開発センタの石井真志子さんは、
新入社員からそんな質問を浴びせられて困惑する
研修の講師の話を聞くことが多い。
(略)
理由は、スマートファンが便利になりすぎ、
パソコンに触ったことがない学生が増えているため。
キーボードの使い方から始める必要があり、
「本来教えるべきところまで簡単に行けない」と石井さん。
若者が職場の「弱者」になりかねないのだ。
(略)
スマホや携帯端末を使った
10代のネット利用率は80%以上だが、
パソコンでの利用率は76%から56%に急落した。
リポートもスマホで書く彼らは情報技術(IT)音痴ではない。
ただ、社会で必要な知識を持たないのだ。
橋元教授(東京大大学院)は
「新たなデジタルディバイド(情報格差)が
生まれつつあるのでは」と心配する。
(略)
日本の10〜20代には新しい現象が起きているらしい。
(勝田敏彦)
若者たちにとっても
デジタル時代のサバイバルはたやすくはない。
新しいサービス、ツールに精通するだけでは足りない。
同年代とのコミュニケーションには間に合っても
仕事での他者(年上がほとんど)との協業のためには
自分のスキルの欠損を埋めていく必要がある。
キーボードの使い方もそのひとつだね。