スクラップブックから
朝日新聞2018年9月9日夕刊
大坂 日本勢初V
4大大会 全米 セリーナ破る
表彰式は殺気立つブーイングで幕を開けた。
(略)
判定に異を唱える観客による愚行だった。
「もう、ブーイングはやめて」。
セリーナが客席に呼びかけた。
続いて大坂がスピーチした。
「誰もがセリーナを応援していたのは知っています。
こんな終わり方になってしまい、すみません。
ただ、試合を観戦に来てくれてありがとう」。
涙ながらに、とつとつと感情を吐きだした。
場内の空気が一変する。
温かな拍手が、20歳のヒロインに降り注いだ。
(稲垣康介)
続報:朝日新聞2018年9月10日朝刊
会見一問一答:
—なぜ、自らの快挙なのに
表彰式で謝罪したのか?
だって彼女が24度目のグランドスラムを
手にしたがっていることを知っていたから。
コートに入るとき、
私は自分が自分とは別の人間であるかのように感じる。
もうセリーナのファンではない、と。
でも、試合後に彼女と抱き合ったとき
(涙で声にならない)、
私はまた(セリーナがアイドルであった)子どもに
戻ったのです。
(金成輶一)
同紙で大坂が所属する日清食品が
カップヌードル全15段広告「世界沸騰」を出稿。
このタイミングのよさが広告の力じゃありませんか!
「CEOはやかんで応援。社員も朝5:00から応援」
クライアントの熱気まで伝わってきます。
このところ日本ではスポーツ界の不祥事があばかれ続き、
うんざりしていましたが、
大坂選手の快挙がスポーツの光の側面を
思い出させてくれました。
観客や敗者セリーナへの心遣いにも
感じるものがありました。
心から出た率直な言葉が相手に伝わるんだろうね。