沖縄で命を絶った人の骨を洗わせてもらいたい(尾畠春夫)


なんだかオーラのある人だなぁ、と思っていたら、
8月、山口県周防大島町で行方不明だった男児
発見・保護したボランティアの男性だった。



スクラップブックから
朝日新聞2018年10月11日朝刊
耕論 お金で幸せになれる?


   恩返しの奉仕 年金で十分
   尾畠 春夫(おばた はるお)さん ボランティア
   (1939年生まれ)


   お金が好きです。
   頂いたご恩にお返しするため、
   ボランティアをしたいので必要です。
   貯金はなく、月5万5千円の年金で生活していますが、
   やりたいことをやるのに足りるので十分です。
   (略)


   29歳のとき、貯金をはたいて別府市に魚屋を開きました。
   お客さんがお客さんを連れてきてくれて、
   一度も赤字になったことはありません。
   おまけをすると、別の機会に
   それ以上の魚を買っていってくれるんです。
   (略)


   今の日本は幸せな国じゃない。
   引きこもりや自殺者が多すぎる。
   「死にたい」という人の話を数日間、
   聞くこともあります。
   「人生、終わるまで楽しみましょうよ」と言います。
   (略)


   ただ私は、やりたいことさえできれば十分なので、
   寄付の申し出も断っています。
   将来は、沖縄のガマに行き、
   死にたくないのに自ら命を絶った人の骨を
   きれいに洗わせてもらいたい。


   中学は合わせて4ヶ月しか登校できなかったので、
   85歳になったら夜間学校にも行きたい。


インタビューの最後のことばが
振るっている。


   最低でも、あと50年は生きたいですね。
                (聞き手・後藤太輔)



男児を見失い責任感に苛まれていたに違いない祖父の
「湯に入っていってください」という申し出をやんわり断り、
何事もなかったかのように引き上げた尾畠さんの姿が印象的だった。