目に見えぬ鬼とはいかに苦しみて(馬場あき子)


スクラップブックから
朝日新聞2018年10月23日朝刊
語るー人生の贈りものー
歌人 馬場あき子(第11回)
「鬼の研究」出版 生活が一変


   《71年出版の『鬼の研究』は半年で7刷りに。
   馬場さんの名前を一躍有名にした》


   「般若由来記」で鬼の構想を考え始めた頃、
   能の喜多節世(さだよ)師が
   「葵上(あおいのうえ)」をやってみなさいと。
   源氏物語正室葵上を鬼になって苦しめる
   六条御息所(みやすどころ)。


   師は「巴(ともえ)」のときと同様に、
   女性と鬼に魅せられた私の状況を見通したかのようでした。
   よし、「鬼」をやろう。
   能と私の人生は導かれているように関係が深いんです。


   目に見えぬ鬼とはいかに苦しみて
   尾根より行きし人のこころぞ


   『鬼の研究』を出版するや、生活が一変。
   勤務以外の全部がテレビ出演や講演会などで
   埋まったほどでした。
   古典評論がなかった時代だから評価されたんでしょう。
   (略)
                    (聞き手・岡惠里)



同居人の蔵書に『鬼の研究』があって、
未読だがなんだか気になっていた。
それで馬場あき子の名前も知った。


鬼の研究 (ちくま文庫)

鬼の研究 (ちくま文庫)

ちくま文庫に収録されている)