床がおかしくなるくらい資料がたまったから(村上春樹)


スクラップブックから
朝日新聞2018年11月5日朝刊
村上春樹さん、資料を母校へ
自筆原稿やレコード…早大が保存



   作家の村上春樹さん(69)は4日、
   東京都内で記者会見し、
   自筆の原稿や書簡、レコードなどの所蔵資料を
   母校の早稲田大学に寄贈すると発表した。
   (略)


   寄贈するのは原稿や書簡、蔵書のほか、
   自身の作品に関する書評や
   2万点近くに上るレコードのコレクションなど。
   (略)


   「40年近く小説家として書いてきて資料がたまり、
   床がおかしくなるくらい置ききれなくなってきた」
   ことから、4〜5年前から寄贈を検討し始め、
   今年3月から母校と協議し合意に至ったという。
   「僕には子どもがいないので、
   僕がいなくなったあとに散逸するのも困ると思っていた」
   (略)


   村上さんは、
   「僕自身、翻訳によって助けられ、
   言語の交流で育てられてきた。
   日本文学の中だけにとどまっていたら、
   窒息状態になっていたかもしれない。
   文学や文化の国際交流の場になってくれたらと願っています」
   と話した。


   さらに「ゆくゆくはスカラシップを立ち上げたり、
   セミナーやレコードコンサートを開いたりできたらいいですね。
   僕も積極的に関わっていきたい」と続けた。
   (略)
                       (中村真理子



村上さん所蔵の資料が母校・早大との合意で
散逸しないことになってよかった。
と同時に、そろそろ店仕舞いを考えながら
身軽になろうとしているのかなと想像した。
村上さんとつながる国際的なコミュニティが生まれ、
育まれることを切に望みたい。