世の中で起きている大切なことを分かりやすく解説してくれる
ジャーナリスト・池上彰さん。
その本質は硬派である。ヤワでない。
好評だった『おとなの教養』(NHK出版新書、2014)続編、
『おとなの教養2—私たちはいま、どこにいるのか?』
(NHK出版新書、2019)を読む。
おとなの教養 2―私たちはいま、どこにいるのか? (2) (NHK出版新書)
- 作者: 池上彰
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2019/04/10
- メディア: 単行本
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「おわりに」から引用する。
人間としての教養を学びたいのは
大学生だけではないはずです。
多くの社会人もまた、
学生時代に得られなかった教養を欲しているのではないか。
そんな問題意識から書いたのが
前著である『おとなの教養』です。
2014年に出た後、幸いにも多くの読者を得て、
いまも版を重ねています。
おとなの教養 私たちはどこから来て、どこへ行くのか? (NHK出版新書)
- 作者: 池上彰
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2014/04/09
- メディア: 新書
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硬派・池上さんの矜持が感じられるのは次の一節。
その後、「教養」という言葉が入った書籍も
多数出版されるようになりました。
たいへん嬉しいことではあるのですが、
単なる雑学に留まるような種類のものも紛れるようになりました。
もちろん豊富な知識があってこそ、教養の体系は築かれますし、
「人間を自由にする」リベラルアーツが身につきますが、
雑多な知識の山だけでは、
人間としての自分の生き方を考えるには不十分でしょう。
あらためて自分の立ち位置を確認する。
それに資する材料を提供しようと、続編を出すことにしました。
(p.236-237)
謙虚な物言いをしていても、
雑学を集めた類書と自分の著書を同じ「教養」という言葉で
一括りにはしないでほしいという自信が見られます。
読者としては頁を繰る期待が高まります。
本書の構成は以下の通り。
序章 私たちはいま、どこにいるのか?
第一章 AIとビッグデータ—人間には何が残されているのか?
第二章 キャッシュレス社会と仮想通貨—お金はどう変わろうとしているのか?
第三章 想像の共同体—なぜ民族紛争が起こるのか?
第四章 地政学—地図から見える大国のホンネとは?
第五章 ポピュリズム—ブレグジットとトランプ現象をどう読むか?
第六章 日本国憲法—何がいま、焦点になっているのか?
文献案内 (1) さらに学びたい人のために
(2) 主要参考文献
おわりに
同じテーマを扱っていても
佐藤優さんと視点や論点が異なっている箇所が随所にあり、
連読でさらに「教養」を深掘りできます。
出版社担当:大場亘
編集協力:松尾豊/斎藤哲也
NHK文化センター青山教室講義を元に再構成
『試験に出る哲学』(NHK出版新書、2018)著者・斎藤哲也が
編集者として前著に続いて協力。
文献案内が丁寧で、ここからの連読も可能だ。
試験に出る哲学―「センター試験」で西洋思想に入門する (NHK出版新書 563)
- 作者: 斎藤哲也
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2018/09/11
- メディア: 新書
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- 作者: 佐藤優
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2017/10/20
- メディア: 新書
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