2009年、『マタタビ潔子の猫魂』でデビュー。
第4回ダ・ヴィンチ文学賞大賞受賞第一作。
まったく異なるジャンルに挑戦した創作意欲に驚く。
朱野帰子『海に降る』(幻冬舎、2012)を読む。
- 作者: 朱野帰子
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2012/01/13
- メディア: 単行本
- 購入: 3人 クリック: 51回
- この商品を含むブログ (5件) を見る
主人公・天谷深雪(あまがい みゆき)は
独立行政法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)に勤務する訓練生。
有人潜水調査船コパイロット昇格をめざしている。
四年前に母が亡くなり、父は再婚してアメリカ在住。
再婚相手の息子、小学生の北里陽生(きたざと はるき)が
深雪の働く横須賀に突然訪ねてくることで物語が転がり始める。
実在するJAMSTEC関係者への取材、耐圧殻に自ら入る実地体験、
幻冬舎編集・篠原一朗の伴走、
そうした積み重ねがこのフィクションが誕生させたことは
「謝辞」(p.327)に記されている。
朱野がなぜ深海に挑む人間たちを小説に書きたかったのか。
その動機を考えてみたくなる。
楽しみな作家だ。
- 作者: 朱野帰子
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2015/07/23
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログ (3件) を見る