クリッピングから
朝日新聞2019年6月19日朝刊
折々のことば 鷲田清一(第1496回)
民族的殺戮(さつりく)はつねに、
もっとも美しい口実—正義、平等、独立、人民の権利、
民主主義、特権に対する戦い—のもとになされる。
アミン・マアルーフ
レバノン生まれでパリ在住の作家は
フランス人かレバノン人かと訊(き)かれると、
「両方です」と答える。
「私」は職業、民族、文化伝統など
複数集団への帰属の交点にある。
本来は普遍的な概念も、
アイデンティティをただ一つの帰属に限る思考と結びつくと
「排除の道具」になってしまう。
『アイデンティティが人を殺す』(小野正嗣(まさつぐ)訳)から。
このことばを読んで、
著書を手にしてみたくなった。
ちくま学芸文庫から5月に出たばかりなんですね。
鷲田清一さんは古今東西の著作から(ときどき書物以外からも)
「折々のことば」を見つけてきてくれます。
勉強になります。
- 作者: アミンマアルーフ,Amin Maalouf,小野正嗣
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2019/05/09
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログを見る
- 作者: A・D・スミス,巣山靖司,高城和義
- 出版社/メーカー: 名古屋大学出版会
- 発売日: 1999/06/10
- メディア: 単行本
- 購入: 3人 クリック: 26回
- この商品を含むブログ (32件) を見る
- 作者: アーネストゲルナー,加藤節,Ernest Gellner
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2000/12/22
- メディア: 単行本
- 購入: 7人 クリック: 85回
- この商品を含むブログ (54件) を見る