ほとんどの男性が自分や周囲のセクハラに気付けないのはなぜか。
牟田和恵『部長、その恋愛はセクハラです!』
(集英社新書、2013)を読む。
- 作者: 牟田和恵
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2013/06/14
- メディア: 新書
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著書がまとめた「男性が気付けない理由」、
7レッスンを紹介しよう。
その1 セクハラは『羅生門』。
当事者の立場によって見方は変わる。
その2 ほとんどのセクハラはグレーゾーン。
真っ黒だけがセクハラではない。
その3 「真剣な気持ちなら許される」と思うのは大間違い。
その4 女性はイヤでもにっこりするもの。
その5 中高年男性が「モテる」のは、地位と権力が九割がた。
その6 露出の多いファッションは誰のため?
職場の男性のためではありません。
その7 会社には会社の判断基準がある。
セクハラに気付けない男性を著者は一方的に糾弾していない。
多くの男性が無意識で陥るグレーゾーンからの脱出口を
本書は示しているように思う。
(犯罪そのものである真っ黒なセクハラは無論別である)
「あとがきにかえて」(pp.213-219)で、
セクハラ問題専門家と自他ともに認める著者が体験した二次被害を
率直に記していることにも信頼感を持った。
会社等の研修では不足する知見を得られる好著だ。