単行本対談としては初顔合わせではないか。
半藤一利・池上彰『令和を生きる—平成の失敗を越えて』
(幻冬舎新書、2019)を読む。
- 作者: 半藤一利,池上彰
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2019/05/30
- メディア: 新書
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池上さんの「おわりに—「歴史探偵」との対話」から引用する。
昭和史のことなら半藤さんに聞け。
「歴史探偵」とも呼ばれる半藤さんは、
戦争へと進んでしまった昭和史についてじつに詳しい。
その半藤さんと、平成について語り合う。
そう言えば、半藤さんは、
平成の時代について、あまりコメントされていない。
出版社は、なかなかのアイデアを出してきました。
半藤さんと語り合えるならぜひ、
というわけで、この本が誕生しました。
(p.222)
池上さんは前口上が得意だ。
読者(あるいは立ち読み客)をその気にさせて、
本文を読んでみよう、お金を出して購入しようと次の行動を促す。
東工大シンポジウムに出掛けたときのことだ。
予想外の数の聴衆が集まり、
帰っていただくのも申し訳ない。
第二、第三、第四会場まで急ごしらえすることになり、
開演時間が大幅に遅れた。
そのとき、講師のみなさんが登壇し、
池上さん司会で想定になかった「前口上」が始まった。
会場設営のための時間稼ぎと同時に、
第一会場で待ちぼうけしている僕たちのためへのサービスだったのだ。
もちろん第一会場聴衆は大喜び。
池上さんの機転に感心し、
ああ前口上にはこんな使い方もあるのだな、
と自分の勉強にもなった。
以下、本書目次の章立てを紹介する。
ふたりの対話のリズムがよく、意見を裏付ける知見が豊富。
どの章も独立した読み応えがある平成史だった。
第一章 劣化した政治、最初の岐路
第二章 災害で失われたもの、もたらされたもの
第三章 原子力政策の大いなる失敗
第四章 ネット社会に兆(きざ)す全体主義
第五章 誰がカルトを暴発させたのか
第六章 「戦争がない時代」ではなかった
第七章 日本経済、失われつづけた三〇年
第八章 平成から令和へ—日本人に天皇制は必要か
本書を実現した舞台裏のお二人。
編集:小木田順子(幻冬舎)
構成:石田陽子
- 作者: 半藤一利
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2009/06/10
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- 作者: 半藤一利
- 出版社/メーカー: 平凡社
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- 作者: 佐藤優,片山杜秀
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2019/05/02
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