病床の弟と語る幼き日(野上卓)

クリッピングから
讀賣新聞2019年8月27日朝刊
読売歌壇 俵万智


毎週月曜日にこの欄が掲載されると知ったので
さっそく新聞の頁をめくってみました。
ありました、ありました。
全部で10首選ばれ、うち3首が優秀作として
俵さんの評が付きます。
どれどれ、今週は。
僕の今週一番好きな句は優秀作の一首にありました。


  病床の弟と語る幼き日互いに初めて知ることもあり

                   東京都 野上卓


  【評】弟と、もっとも時間を共有していたはずの「幼い日」。
     だが、兄と弟の日々は、必ずしも同じではなかった。
     人生の真実を感じさせる深みのある一首。


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僕にも似たような経験がありました。
ケアハウスで暮らす母が朝食時に倒れてしまって、
職員の方から連絡がありました。
その日は僕と弟が様子を見るため母の元に集まりました。


幸い母は大事なかったのですが、母の部屋で付き添いながら
弟と久しぶりに雑談していて、「へぇ〜、そんなことがあったのか」
とお互い知らなかったことがあることに気づいたのです。
野上さんの一首には実感がこもっていると思いました。


短歌のレシピ (新潮新書)

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俵さんが短歌の作り方をコーチする本、
続編を見つけたので古書店サイトで購入。
自分の歌が生まれる瞬間を捕まえられたらいいなぁ、と思いまして。
読者の投稿を俵さんが添削していくプロセスがとても勉強になります。


考える短歌―作る手ほどき、読む技術 (新潮新書)

考える短歌―作る手ほどき、読む技術 (新潮新書)

(こちらが第一弾、短歌の作り方が初心者でもよく分かる一冊)