池上彰『知らないと恥をかく世界の大問題7』(角川新書、2016)

300頁足らずの手軽な新書ですが、
構成が工夫され、解説の密度が濃いのが魅力です。
知る人ぞ知る、池上彰さんの「知ら恥」シリーズ、
『知らないと恥をかく世界の大問題7—Gゼロ時代の新しい帝国主義
(角川新書、2016)を読む。



最新10作目がとても面白かったので、
バックナンバーを図書館で借りてきて読んでいる。
本書の構成を見てみよう。


プロローグでは詳細な図解入りで
第7巻のテーマである「新しい帝国主義時代の到来」について総括。
第1章イスラム世界、第2章ヨーロッパ、第3章アメリカ、
第4章中国と東アジア、第5章、せまりくる人類共通の大問題、
第6章日本、エピローグ、近代文明の逆走を止められるか。
世界各地域の取扱いのバランス感覚が抜群にいいことが
「知ら恥」シリーズを数冊読んで分かった。


海外の空港で本書を熱心に読んでいる読者を発見して
「恥ずかしいけれど、嬉しい」と池上さんが「おわりに」で述懐している。
世界の大問題を自分の頭で考えるきっかけとして
活用してくれることを著者は読者に期待しているのだ。
「どうして?」を自分で突き詰めることが大事なんだね。


  編集:辻森康人(株式会社KADOKAWA)、八村晃代


(本書が2019年刊の「知ら恥」最新作)