クリッピングから
朝日新聞2019年10月11日朝刊
読者投稿欄「声(Voice)」
78歳・20歳 祖父と孫の温泉旅
ヘルパー 佐藤明子(東京都 47)
20歳の長男が夏休み中、
私の両親が住む福島へ遊びに行った。
「お金を使わず放っておいて」と伝えたが、
78歳の父が息子を山形の温泉に連れて行ってくれた。
これまでも何回も共に温泉旅行している2人が好きなのは、
部屋にトイレや風呂がないような古びた宿。
母は「そうした宿は苦手」と一緒には行かない。
以前、父と息子に「何を話しているの? 楽しいの?」
などと聞いたことがあったが、
「別に盛り上がるわけではないけど、フツーだよ」と多くは語らない。
(略)
私や母がいると、糖尿病の父に「食べ過ぎよ」とつい注意し、
息子にも小言を何かしら言いそうだ。
そんなことを言う人がいない男2人旅だからいいのかも。
また行けるといいね。
秘湯会会長(山の湯を愛する、世界最小団体)として
山の温泉宿で過ごす二人の時間が想像できますねぇ。
佐藤さんのおっしゃる通り、
「そんなことを言う人がいない男2人旅」だからきっといいのですよ。
二人にとって別に盛り上がるわけでないフツーの、
かけがえのない時間なんでしょうね。