クリッピングから
讀賣新聞2019年12月16日朝刊
読売歌壇(俵万智選)
サドル高き男孫の自転車こぎ出せば
十七歳の景色が見える
匝瑳市 椎名昭雄
【評】「サドル高き」に実感がこもる。
かかとの高い靴を履いただけでも
景色が違って見えるので、自転車ならなおさらだ。
下の句の「景色」は、実景を越えて、
青春真っただ中の彼の現在を思い描いての言葉だろう。
「十七歳の景色が見える」と歌に詠んだ椎名さん。
男孫の自転車のサドルの高さから
その景色を想像できる力が素敵です。