池上彰『イギリスとEU』(2019)(佐藤優「知を磨く読書」)

週刊ダイヤモンド」2020年2月1号掲載
佐藤優「知を磨く読書」が
池上さんの新著『イギリスとEU』を取り上げました。


池上彰の世界の見方 イギリスとEU: 揺れる連合王国

池上彰の世界の見方 イギリスとEU: 揺れる連合王国


引用します。


  池上彰『イギリスとEU』を読むと
  ポピュリズム政治の怖さがよく分かる。


  <「EUを離脱すれば、EUに払っていた週あたり3億5000万ポンド
  (約455億円※1ポンド130円で換算)の予算が浮いて、
  NHS(国民保険サービス)に回せる」
  /これは、国民投票の前に、離脱派の宣伝バスに掲げられた主張です。
  イギリス独立党が大キャンペーンを張りました。
  3億5000万ポンドの根拠は定かではなく、ウソの情報でした。
  しかし、ポピュリズム政党が打ち出すわかりやすく印象的なメッセージは、
  フェイクであっても有権者を引き付けたのです>。


  民主主義の優等生と見なされてきたイギリスでも
  国民の感情を扇動できるようになった。
  ポピュリズムの台頭による民主主義の後退が世界規模で生じている証左だ。


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意図的に大量に垂れ流される嘘の情報を鵜呑みにしていると
判断を間違えるリスクが高まることを
池上さんの著書、佐藤さんの書評は伝えている。