小野不由美『月の影 影の海(下)十二国記』(新潮文庫、1992)

小野不由美『月の影 影の海(下)十二国記
新潮文庫、1992)を読む。


月の影  影の海 (下) 十二国記 1 (新潮文庫)

月の影 影の海 (下) 十二国記 1 (新潮文庫)

  • 作者:小野 不由美
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2012/06/27
  • メディア: 文庫
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(神保町・三省堂書店で目撃したシリーズ最新刊刊行キャンペーン)


巻末・北上次郎の解説から引用する。


  ではなぜ『図南の翼』が刊行された1996年まで、
  このとてつもなく凄(すご)いシリーズの存在を
  私は知らなかったのか。
  それは当初、このシリーズが
  年少読者向けの叢書(そうしょ)として刊行されたからである。
  すなわち、ジュニア小説、
  あるいはライトノベルという体裁だったということだ。


  もちろん、そちらの世界では大好評で、
  圧倒的な支持を集めていたようだ。
  累計で百万部出ていたというから、すごい。
  ただし、私だけにとどまらず、
  大人の読者でこのシリーズの面白さを知っていた人は
  当時まだ少なかった。
  年少読者には圧倒的好評でも、
  大人の読者が読むとちょっとという作品もあったりするが、
  これはそうではないのだ。


  ライトノベルでしょ、という偏見で読まないのは、
  ホント、もったいない。
  そうか、もう一つ、ファンタジーでしょ、
  という偏見もあったかもしれない。
  実は私がそうであった。
  ファンタジーがいまでも苦手なのである。
  (略)


  だからこのシリーズは、
  大人の読者に、ちょっと生活に疲れているあなたに、読んでほしい。
  異世界で、ファンタジーで、そんなのちょっとついていけないと思うなら、
  余計に手に取ってほしい。
  私たちが忘れていたことが、ここにある。
  あまりの面白さに夢中になって読みふけり、
  気がつくとなんだかむくむくと元気になっている。
  これはそういう物語だ。
                  (平成24年5月、評論家)
                              (pp.261-267)


僕もシリーズ第二作『風の海 迷宮の岸』(1993)を
図書館に予約した。
さて、今度はいつ頃読めるかな。
話の続きを楽しみに待ちましょう。


風の海 迷宮の岸 十二国記 2 (新潮文庫)

風の海 迷宮の岸 十二国記 2 (新潮文庫)

  • 作者:小野 不由美
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2012/09/28
  • メディア: 文庫


[追記:02/21/20]
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(新潮社2019年12月12日発行「十二国記新聞」。もはや大事件ですね)