池上彰『知らないと恥をかく世界の大問題 11』(角川新書、2020)

一年にほぼ一冊のペースで、
池上さんが世界の大問題を地域別に再整理して解説してくれる。
池上彰『知らないと恥をかく世界の大問題 11 グローバリズムのその先』
(角川新書、2020)を読む。



構成はこうなっている。


冒頭に世界地図を出し、
「ポスト・コロナに世界はどう備えるか?」の表題で本書の内容を先出しで俯瞰。
続いて「世界の縄張り争い1/2/3」「世界の宗教」を8頁でまとめる。
「プロローグ」に続いて、世界の問題を各地域に分け、
以下6章で解説。


  第1章 アメリ
  第2章 ヨーロッパ
  第3章 中東
  第4章 東アジア
  第5章 グローバル
  第6章 日本


「エピローグ」「おわりに」「主要参考文献案内」が続き、
全279頁、990円(税込)也。
以上の骨組みはほぼ変わらない。



「主要参考文献案内」を読む。
日頃話題になっている書籍に
池上さんがまめに目を通しているのが分かる。
『ペスト』カミュ/宮崎峯雄・訳(新潮文庫)、
『コロナの時代の僕ら』パオロ・ジョルダーノ/飯田亮介・訳(早川書房)、
『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』ブレイディみかこ(新潮社)、
『バッタを倒しにアフリカへ』前野ウルド浩太郎(光文社新書)などだ。


コロナの時代の僕ら

コロナの時代の僕ら


池上さんが敬愛する宇沢弘文の著書、関連雑誌が3点入っている。
『社会的共通資本』(岩波新書)、『経済学と人間の心』(東洋経済新報社)、
現代思想2015年3月臨時増刊号/宇沢弘文—人間のための経済—』(青土社)。
本書を読み、さらにあるテーマを深掘りしてみたくなれば、
この案内を手がかりに連読すればいいのだ。


社会的共通資本 (岩波新書)

社会的共通資本 (岩波新書)


僕は「知ら恥」シリーズのよさを知って、
2009年の第1弾から遡って手にしてみた。
単年では読み取りづらかった世界の動向が、
複数年に渡る池上さんの解説で「目ウロコ」のように解読できることがあった。
日々の新聞の読み方も変わってくる。
累計193万部売れ、着実に読者をつかんでいるのも、むべなるかな。


  編集担当:辻森康人(株式会社KADOKAWA
  編集協力:八村晃代


(「知ら恥」シリーズ第1弾)