池上彰/山里亮太/MBS報道局『知らないと恥をかく東アジアの大問題』(角川新書、2020)

漫才コンビ南海キャンディーズ」のツッコミ担当、
山ちゃんこと山里亮太さん。
自称押しかけ弟子が、師匠・池上彰さんに疑問、質問をぶつける。
池上彰山里亮太MBS報道局『知らないと恥をかく東アジアの大問題』
(角川新書、2020)を読む。



池上さんの「はじめに」から引用する。


  MBS毎日放送)の深夜番組『生! 池上彰 X 山里亮太』での私の相方、
  山ちゃんこと山里亮太さんがいいことを言いました。
  少しさかのぼって歴史を知ることで「あのニュースがこうなったんだ」とか、
  「次はどうなっていくんだろう」とか、連続小説のように楽しめる——と。


  その通りだと思います。
  番組では、山ちゃんの ”いい質問” に思わずホンネが飛び出したり、
  きわどい裏情報まで口走ったりしています。
  今回はそんな解説の中から、
  激動する東アジアに焦点を絞った本を出そうということになりました。

                              (pp.4-5)


一方、山里さんは「おわりに」でこう書いている。


  自称「押しかけ弟子」の僕が心がけているのは、
  日々のニュースが流れていってしまわないように、
  ちゃんと引っかかれるように、基本的なところは勉強しておくということ。


  僕は、ニュースが頭に残らないのって、ニュースの濃淡じゃなくて、
  自分の持っているフックの少なさが原因だと思うんです。
  逆に考えると、フックをたくさんつくれば、難しいと思っている新聞も
  「あのニュースがこうなったんだ」とか「次はどうなっていくんだろう」って、
  連続小説のように楽しめるんじゃないか。
  この本を読めば、きっと新聞が「読まなきゃいけないもの」から
  「読みたいもの」に変わると思います。
 
                           (pp.209-210)


本書は池上さんが2009年からこれまで11冊出版してきた
「知ら恥」シリーズとは異なる。
同じ書名を使っていたので手にするまでにちょっととまどった。
版元、著者が同じなので問題はないのだろうが、
池上・山里コンビのユニークさを信頼し、
独自の書名をつけた方がよかったのではないか。


   編集協力:八村晃代(「知ら恥」シリーズ編集協力を2009年から担当)


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