60歳になってシニア社員として再雇用で働くことになったとき
やめたことと、始めたことがある。
始めたことのひとつは、「猫の目家計簿」を付けること。
自分の暮らしに関わるお金の動きを
「猫の目」をクルクル回転させるように観察して、日々の改善に役立てたいと始めた。
再雇用契約が2019年11月で完了したいまも続けている。
入ってくるお金、出て行くお金をレシート、アプリ無料版で記録しておく。
月に2回、家計簿に記入して数字を管理していく。
スタートするとき各社の家計簿を比較検討して
僕はクロワッサン編集本を愛用している。
クロワッサン特別編集 家計簿2020 (マガジンハウスムック)
- 発売日: 2019/10/17
- メディア: ムック
「猫の目家計簿」を続ける利点はいくつかあるけれど、
僕にとって一番うれしいのは、節約して余ったお金をB&B資金に回せること。
B&BはBeer & Bookの略で、日々やりくりしながら、
ビールと本(主に文庫、新書)を買って楽しむくらいのゆとりをひねりだしたいと始めた。
7月の家計簿を付け終わり、8,800円をB&B資金に回すことができた。
「これに使いたい!」と思った出会いがあったときにここから支出する。
今回の出会いは地図帳だった。
イギリスの名門DK社編集、スミソニアン協会監修、日本語版・木村凌二監修。
『ビジュアルマップ大図鑑 世界史』(東京書籍、2020)。
ピーター・スノウ(ジャーナリスト/歴史学者)の序文から引用する。
(歴史家のエドガー・スノウは別人)
世界の歴史を語る本の中で、これほど微に入り細を穿つ解説と、
目を見張るビジュアルをあわせ持つものは、いまだかつて見たことがない。
(略)
この本は単なる歴史地図帳にとどまるものではない。
地歴的背景の説明に加えて、示唆に富む写真や画像が満載されているからだ。
なかでも、第一次世界対戦を総括した部分は圧巻だ。
開戦までの経緯を説明する地図(p.268〜269)や、
それに続く記述は戦争の様相を伝えて
余すところがない。とりわけ塹壕の写真は多くを物語っている。
(略)
(pp.268-269)
(pp.276-277)
私はジャーナリストとして、
BBCやITN(訳注:イギリスのニュース制作会社)のグラフィックデザイナーと共に
長年さまざまな地図を作製し、中東戦争やベトナム戦争の解説に役立ててきた。
今や、それらよりはるかにクオリティの高い地図を、
本書のp.328〜p.329、p.332〜p.333で目にすることができる。
また、いかなる歴史家もp.208〜p.211のような地図なしに、
ナポレオンの大帝国の興亡を的確に描き出すことはできないだろう。
(略)
ピーター・スノウ 2018年
本書を出版したのが教科書で有名な東京書籍。
大判360頁フルカラーで税別6,500円、税込7,160円。
7月分のB&B資金投入で、1,640円のお釣りがきた計算だ。
本はその出版に注がれた時間、エネルギー、知識・知恵に比較すれば安い買い物だ。
ただしそこには、自分にとっての良書を厳選し購入すれば、との条件が付く。
地図ファンのみなさま、
地元の図書館が本書を購入したら、ぜひ一度手に取って眺めてみてくださいませ。
(もしまだ書棚に見つからなければ、窓口でリクエストを出しておけば、
購入確率が上がります!)
うっとりして、時を忘れますぜ。
History of the World Map by Map
- 作者:DK
- 発売日: 2018/10/23
- メディア: ハードカバー
- 作者:本村 凌二
- 発売日: 2017/09/12
- メディア: 文庫
- 作者:本村 凌二
- 発売日: 2016/12/17
- メディア: 単行本(ソフトカバー)