以前読んだ記事が記憶に残っていて、
TSUTAYAでCDを借りてきた。
米津玄師(よねづ けんし)「STRAY SHEEP」(2020.8.5発売)を聴く。
- アーティスト:米津玄師
- 発売日: 2020/08/05
- メディア: CD
5枚目のアルバムで収録曲は以下15作品。
01 カンパネルラ
02 Flamingo
03 感電
04 PLACEBO+野田洋次郎
05 パプリカ
06 馬と鹿
07 優しい人
08 Lemon
09 まちがいさがし
10 ひまわり
11 迷える羊
12 Décolleté
13 TEENAGE RIOT
14 海の幽霊
15 カナリヤ
めまいリハビリ体操やストレッチをするとき
BGMで流していると、ときどき耳に飛び込んでくる言葉がある。
例えば、2曲目の "Flamingo"のこんな一節。
氷雨に打たれて鼻垂らし
あたしは右手にねこじゃらし
今日日この程度じゃ騙せない
闇で彷徨う常しえに
地獄の閻魔に申し入り
あの子を見受けておくんなまし
酔いどれ張り子の物語
やったれ死ぬまで猿芝居
歌詞といい、メロディーといい、
モダンの中に古風が潜んでいる感じがした。
毎日新聞2020年8月9日見開き掲載
米津玄師特集の中からコラムの一部を引用する。
ヒット曲を網羅したベスト盤のような性格を持つ一方で、
すべてを通して聴くと長編小説のような流れ、一貫性もある。
相いれない二つの要素が、新作「STRAY SHEEP」では両立している。
何度でも聴きたい名曲「Lemon」、
都々逸のような独特のユーモアを持つ「Flamingo」。
少年時代への郷愁をはらむ「パプリカ」、
折り重なった歌声に幻影を見るかのような「海の幽霊」——。
既発表曲だけでも、この3年が創作者として、
いかに充実していたのかが分かる。
(略)
以前と比較すると、
米津の低く美しい声の響きを生かすものが増えたように感じる。
2年前の取材では、「自分の歌声があまり好きではない。
もっと高い声に生まれたらよかったと思ったりする」と語り、
意外に思ったことを覚えている。
その後もあるべき歌声を模索し続けたのだろう。
滋味ある声質を存分に生かしたボーカルは、
歌詞に込められた思想と共鳴し合っているようだ。
ソニーは本作の出荷数が100万枚を突破したと発表した。
ベスト盤を除くオリジナル作のミリオン出荷は近年では珍しい。
多くの人の愛聴盤になるだろう。
(鶴)
大友克洋を思わせるジャケットのイラストレーションも
米津の作品。
多彩な才能に恵まれた人だ。