グーグルはおとぼけくんの謎をサーチできるか

yukionakayama2007-05-04

読みさしの本をまた一冊読了。
ジョン・バッテル
ザ・サーチ グーグルが世界を変えた」。


いまもっとも注目されている企業のひとつ、グーグルが
どんなプロセスで急成長してきたのか、
「サーチ=検索」をキーワードに解明していく。
創設者ラリー・ペイジとサーゲイ・ブリン、
現CEOエリック・シュミットの思考、行動、人柄も興味深い。
ライブドア堀江貴文宮内亮治とも比較してみたくなる。
「第8章 検索とプライバシー」では
9/11直後に成立したアメリカ合衆国愛国者法に言及する。
この法律により、「個人情報は、その人に対する捜査令状が
出されなくてもインターネットプロバイダーを通じて傍受され、
政府当局に引きわたされる(同書p293より引用)」。
グーグルは個人情報と企業の広告活動を人間を介さず
アルゴリズムで結びつける。
その人がネット上でどんな情報を手に入れ、
どんなメッセージを発信したか、
そうした記録のすべてを政府に渡すかどうかは、
あくまでグーグルに委ねられる。
最後の判断にはアルゴリズムではなく、人間が関与している。
「倫理」の問題が浮かび上がってくる。
中国にグーグルが進出する際、
政府に不都合な情報を検索させない取引に応じたことは
アメリカ議会でも問題となった。
成長したがゆえの政治的難問をグーグルは抱え始めた。
ジョン・バッテルは終章「完全なる検索」とエピローグで、
検索の未来と人類の知性・文化との関わりについて語る。
こうした企業は、なぜアメリカから生まれてくるのだろうか。
なぜ日本では誕生しないのだろうか。
このテーマはベルリンスクールのマスター論文でも
触れてみたいと考えている。
著者ジョン・バッテルと対話するには以下のサーチブログサイトで。
battellemedia.com/thesearch
出版した本を随時アップデートしていくにはとてもいい方法だ。
僕も「最新CMプランナー入門」出版のときに試してみたかったが、
時既に遅く、原稿が印刷に回されていたため実現できなかった。
その代わりにこの「デジタルノート」を始めたわけなのだ。
いったん始めてみると、猫やら温泉やらシングルモルトやら
あちこちに寄り道ばかりだが、寄り道の面白さがブログの真骨頂
とも言えそうだ。
(文中敬称略)

ザ・サーチ グーグルが世界を変えた

ザ・サーチ グーグルが世界を変えた

閑話休題
今朝も9時前におとぼけくん登場。元気に朝ご飯を食べていった。
大型連休で普段ご飯をもらっている家が留守なのかな。
晩ご飯はどうしているんだろう。
この疑問には、いまのところ、グーグルも答えられない。