チリと佐渡が島の交響曲

家に帰ると今度は
アロウカナの卵が届いていた。
造園業を営む通称ガハハのおじさんの家の
即売所でアロウカナを見つけると
同居人は迷うことなく購入する。
通勤経路方向(ちょっと遠回り)に位置する
副会長の家のポストに入れておく。
副会長は我々の留守の間に
我が家のポストに届けてくれる。
こういう配達システムになっている。
アロウカナはチリ原産の鶏で
ご覧のように(右)青みがかった殻を持つ。
故郷チリで青い卵はまわりの植物の色にとけ込み
ひっそりその身を守る。
16世紀にスペイン人がチリを侵略したとき
アロウカナ(アラウカ)地方の人間は
勇猛果敢に抵抗して征服を免れた。
その結果、地中海種の鶏と交雑させようとした
スペイン人のもくろみは破れた。
アロウカナは地球上で唯一
青い卵を生む種である孤高を守り抜き、
その末裔はガハハのおじさんの庭で放し飼いとなり
我々にときどき卵を提供してくれる。
一個あたり50円と割高だが、
割ってみると黄身が盛り上がり力がみなぎっている。
温かいご飯に醤油と混ぜたアロウカナをかけて食べると
口の中でチリと佐渡が島
(我が家御用達のコシヒカリの産地)が
幸福の交響曲を奏でる。
最近人気が出てきたことと
普通の鶏より産卵数が少ないために
運が良くないと入手できないのが難点だ。