ビアマウントと原油高

今年も行ってきました、高尾山ビアマウント。
秘湯会の夏の行事の一つである。
プチ夏休みにはもってこいの企画である。


京王線高尾山口駅で降り、坂道を数分歩くと
ロープウェイの駅が見えてくる。
31.18度、日本最勾配のロープウェイに5分ほど乗ると、
ビアドリンカーたちのメッカ、高尾山ビアマウントに到着する。
男性3,300円、女性3,000円を入り口で支払えば、
この楽園のすべての飲み物、食べ物は2時間あなたのものである。


ビールは一番搾りスーパードライハートランド
アサヒ黒生、ハーフ&ハーフが用意されている。
チケットを窓口に持っていくと
まずはカラのジョッキと皿を一枚渡される。
後はお代わりするたびにジョッキ、皿を持っていけば
ビールのおかわり、新しい皿と交換してくれる仕組みである。


おつまみは餃子、しゅうまい、ナゲット、軟骨揚げ、タコの唐揚げ、
冷や奴、枝豆、中華風炒めもの、かにかま揚げ、地元でとれたきゅうり、
プチトマト、ナス、オクラ、おでん、ピザ、焼きそば、ドリア(最悪)
今年の目玉・ひとくちラーメンなど
30から40品目くらいが所狭しと並べられている。
デザートもチョコフォンデュ、タイヤキなど数品。


この楽園では、みなさん、日頃の憂さも忘れてニコニコである。
今年は早い時間帯に行ったので子ども連れも目立つ。
昨年、高尾山がミシュランの観光地ランキングで
三ツ星を獲得したため、さっそくその事実を宣伝に使っている。
高尾山ビアマウントが三ツ星をもらったのでは無論ないのだが、
権威付けにはもってこいの話題であった。
まるでミシュラン推奨のビアマウントであると錯覚する。


もっともフランスの友人で物好きな奴がいたら
ここに連れてくるといい。
日本庶民文化の奥深さにきっと感動するに違いない。
悔しかったら、パリで同じことをやってみろと僕は言いたい
(別にフランス人は悔しがらないか)。


場内アナウンスも今年から
日本語、英語、中国語の三か国語対応に変わった。
副会長によれば「日本語のアナウンスが一番下手だった」。
さて、秘湯会の評価は?


確かに湿度が低く
都心より3℃から4℃は低いあろうビアマウントは
いるだけで心地よい。この点は、いつも通り評価できる。
そのためにわざわざ来ていると言ってもよい。
無料のウチワまでついてくる。


ただし料理については、
コスト削減の結果が目に見えて現れた年であった。
確かに品目数は例年並みにあるが、
過去数年はイタリア風メニューがあったり、
サラダバーが充実していたり、
もっと手のかかった料理もあった。
原油高をはじめとするコスト増が、
この楽園にも及んでいないはずはなかったのである。
各自ジョッキ4杯、料理3皿をいただき、
秘湯会は静かに頭を垂れ、地上に再び帰っていくのだった。


高尾山ビアマウントは9月30日まで毎日開催。
下山のロープウェイの最終は21時30分。
これに乗り遅れると真っ暗な登山道を
酩酊状態で降りていくことになる。
秘湯会としてはおすすめしない。