弾き語りパッション

駅前のCD/DVD屋のポスターで知り、
井上陽水「弾き語りパッション」を買う。
17歳のときに陽水を聴き始めたからもう36年になる。
このところの新作には少々ご無沙汰だったが、
初期から中期の名作の2007年の弾き語りライヴを
収録した今度のアルバムには手が伸びた。
もともとはコンサート会場だけの限定発売だったCDである。

弾き語りパッション

弾き語りパッション

アンプラグドと言うのか、
初期のスタイルでセルフカバーするアーティストは
陽水に限らず多い。原点帰りというのか。
若い頃の、なにか思い詰めた、
独特の張りつめた緊張感は望むべきもない。
その代わりに、時間によって成熟し枯れた味わいが生まれる。
どちらを好むかは意見が分かれるところだろう。
デビュー曲「カンドレ・マンドレ」をボーナストラックで収録している。
陽水がアンドレ・カンドレの名前でデビューしたときの作品だ。
もちろん、売れなかった。
韜晦の語りとともにデビュー曲を歌う陽水には
晩年ならではの吹っ切れた姿がある。
その達観は悪くない。