ビジョナリ−の言葉の宝石

待ちに待った梅田望夫さんの新刊
「ウェブ時代5つの定理」を手に入れ、
週末じっくり読んだ。
長い時間をかけて梅田さんが丁寧に集めた
ビジョナリー(それぞれの分野の専門家で、
テクノロジーの変化していく未来を洞察する人)
たちの言葉はどれも印象深い。
一読して僕の心にまず入ってきた言葉を二三記しておく。
●●●
世界を変えるものも、常に小さく始まる。
理想のプロジェクトチームは、会議もせず、
ランチを取るだけで進んでいく。
チームの人数はランチテーブルを固めるだけに限るべきだ。
                   ービル・ジョイ
World-changing things always start small.
The ideal project is one where people don't have meetings,
they have lunch.
The size of the team should be the size of the lunch table.        
               ーBill Joy
●●●
ニューノーマル」時代における成功とは、
タイムマネジメントに尽きる。
この時代における通貨は、時間なのである。
                    ーロジャー・マクナミー
Success in the New Normal is all about time management.
Time is the currency of the age.
ーRoger McNamee
●●●

ウェブ時代 5つの定理―この言葉が未来を切り開く!

ウェブ時代 5つの定理―この言葉が未来を切り開く!

5つの定理に分かれたこの本で
いまの自分に一番インパクトがあるのは
「第5定理 大人の流儀(The Style of Maturity)」である。
「苦しいときこそ、大人が社会を鼓舞する」ことは、
僕たち日本の大人にもっとも欠落していて、
もっとも必要なことであると僕は思う。
引用を続ける。
●●●
自分がやらない限り世に起こらないことを私はやる。
                     ービル・ジョイ
I try to work on things that won't happen unless I do them.
Bill Joy
●●●
ビル・ジョイの言葉こそ、
これからの自分をコモディティにしないための決意になりうる。
そして、自分の生きている意味を探ることにもなるだろう。
僕たちは10代20代とは違った視点と思考で
自分の人生と仕事の意味を問い直す必要がある。
過去を振り返っているだけの退屈な大人にはなりたくないと思う。
そして、ここには引用しないが、
2005年夏、スタンフォード大学の卒業生に向けた
スティーブ・ジョブズのスピーチは圧巻である。
僕も以前友人からこのスピーチの原稿をもらい、読み、感動した。
僕が通ったベルリンスクールでも
このスピーチは何度となく取り上げた。
歴史的価値のあるスピーチとして記憶されていくだろう。
梅田さんが十数年かけて蓄積してきた珠玉の言葉の数々に
僕たちはこの本を通じてアクセスできる。
巻末にある「出典一覧」も真骨頂であり、
梅田さんの意志を感じた。
このおかげで僕たちはいつでも原典にリンクすることが可能である。
この本は英語のテキストブックとしても素晴らしい。
どの言葉も記憶して暗唱して
自分なりに時間をかけて消化し肉体化してみたくなった。
この本については、また書く。