ゴールデンスランバー

伊坂幸太郎ゴールデンスランバー」を読む。
第5回本屋大賞受賞作だ。
ストーリーテリングのうまさに舌を巻いた。

ゴールデンスランバー

ゴールデンスランバー

小説は書き出しと結末に質が現れる。
幾重にも周到に用意してきた伏線が
エンディングで結ばれ焦点となり読後感が残る。
これが本を読む醍醐味と言うものだろう。
腰巻きにある惹句、
「首相暗殺の濡れ衣を着せられた男は、
 巨大な陰謀から逃げ切ることができるのか?」
ここからして僕はそそられた。
佐藤優国家の罠」と合わせて読めば、
国家と個人の関係性を
あらためて考え直すきっかけになる。
小説とノンフィクション、
ジャンルの違いはあるが
もし未読であれば二冊ともおすすめしたい。
現代においても個人を抹殺しようと思えば
相当のことができるのが国家なのだ。
国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて (新潮文庫)

国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて (新潮文庫)

伊坂は十数作書いているので、
当分楽しませてもらえそうだ。
(文中敬称略)