蜘蛛の巣をアップデートする

チャイナエアで飛んだ
ミュンヘンほどでないにせよ、
カンヌまではパリで乗り換えて
家から20時間はかかる。
初めて参加したのが91年だから17年前のことだ。
以来、お金を積み立てて同居人と自前でやってきたり、
審査員やスピーカーとしてやってきたりで11回目になる。
この一週間に世界各国の友人たちと再会し近況を交換する。
ベルリンスクールのクラスメート、
ブラジルのLuizと
アルゼンチンのFernandoは審査員を務める。
ドイツ・デュッセルドルフのRalfはスピーカーで登壇する。
ベルリンスクールのワークショップが火曜日に開かれ、
プレジデントのMichael、ディーンのPierreが
ファシリテーターになる。
点でつながってきた人たちが線となり、
線でつながってきた人たちがリンクして
蜘蛛の巣になっていく。
まさにWorldwide Webだ。
こうしたダイナミズムは
東京で入賞作品を見ているだけではつかめない。
現地にやってこなくては
生きた蜘蛛の巣をアップデートすることはできない。
目に見えないネットワーキングが
僕の人生の財産であり、喜びであるのだ。
ときにそこから次の仕事のとっかかりが生まれるし、
そうでなくても友情は続く。
人は理想だけで動くのでもないし、
打算だけで動くのでもないことを知る。