空白と衝動の関係について

アメ横の手作り革製品の店で買ったバッグです。
元同僚のカワーニョさんが
「これはカメラバッグですよ」と言う。
確かにしっかりした作りで
デジタル一眼や交換レンズを入れても安心である。
問題は僕がコンパクトデジタルカメラしか
所有していないことだ。
ブロガーは自分が撮りたいと思う瞬間に
写真が撮れることを優先する。
近頃デジタル一眼にも
使いやすい製品が出てきているから
いつか試してみたいとは思うが、
コンパクトカメラの機動性が僕には捨てがたい。
知人の通夜に出てまっすぐ家に帰る気がせず、
アメ横をフラフラ歩いていたら
このバッグが小さな声で僕を呼んでいた。
一度は通り過ぎたが、
結局ATMで現金を引き出し戻ることにした。
こうした本能にしたがうことは、
いくばくかの身銭を切ればすむことで
他人になんら迷惑をかけるものではない。
バッグを買ったとて、
バランスの取りづらい心の平衡感覚が
保てるとは限らないが、
ともかく衝動的になにかを買いたい気分でいたのだ。
このバッグを使うとき、
あの通夜の空白感を思い出すに違いない。