生きるための水が湧くような思考

梅田望夫さんが新刊を出した。
書くことのサバティカル前、最後の著書である。
タイトルを「生きるための水が湧くような思考」と言う。
ウェブブックである。
物理的に手に取れる、印刷された本ではない。
書店やアマゾンで買える本でもない。
梅田さんがこれまでに書いた原稿、対談を自身で再編集して
ウェブ上で誰でも見られるようにしたウェブブックなのだ。
無償というのが前代未聞だ。
作家が自分の知的活動の集大成を無償で提供する行為など
かつて聞いたことがない。
梅田さんは若い読者のために、そして未来の読者のために
あえてウェブ上に無償で自分の知的資産を公開することに決めた。
ウェブブックには絶版がない。
単行本を買うのがままならない人も
ネットにつながるパソコンや携帯さえあれば
いつでもどこでも読むことができる。
梅田さんの勇気、誰もやったことのない試みに拍手を送る。
僕もウェブブックに編まれた時間軸を動きながら
梅田さんの過去、現在、未来と対話を始めた。
そこから知的関心が動き出せば
自分の直感や本能が命ずるままウェブの世界を探索する。
一冊のウェブブックが
勉強の方法を変え、時間の使い方を変える。
梅田さんの著作を知り合いに教えてもらってよかったなぁ、
こんな時代に間に合ってよかったなぁ、
と僕はつくづく思うのだ。
http://www.mochioumeda.com/musings/
梅田望夫著「生きるための水が湧くような思考」(2008)