アンクルトリスの二ヶ月


アンクルトリスというキャラクターがある。
近頃はCMでもリバイバルしているので
若いみなさんもきっとご存知だろう。



           (ⓒ柳原良平


僕が好きなのはウィスキーを飲み干していくと、
顔の部分に水平線が現れ、下から次第に赤くなっていく様子である。
この二ヶ月、ウィスキーではなく、
仕事が頭のてっぺんまでいっぱいの状態が続いた。



若者たちはそうした状態を「いっぱいいっぱい」と呼ぶ。
アンクルトリスの姿を「いっぱいいっぱい」の自分に重ねて苦笑した。
五つあった仕事山脈をひとつ、またひとつと越えていき、
本日すべて登り終えた。



僕がこの一年所属していた組織がきょうで解散になり、
メンバーが散り散りになる。
併走してきた同僚たちと一献傾ける夕べであった。
一年を三年のように感じると言った仲間もいるし、
やはり一年は一年だという感覚も同時にある。