僕の英語勉強法(その4)

1997年のカンヌ国際広告祭・テレビCM部門
日本代表審査員に選ばれました。
どうやって、もういっぺん英語を
ブラッシュアップしよう?
まずは過去の入賞作品集をすべて手に入れて
(倉庫の奥に眠っているのもありました)
片っ端から何度も繰り返して見ていきます。
かなりブロークンな口語英語のヒヤリングにも
慣れておく必要があります。
こうして過去10年分20年分のリールを見ておくと
審査員同士の議論でも有利です。
みんな具体的な作品をベースに話しますから
一度も見ていないと議論についていけません。
反対に僕がノルウェーの古い名作を引き合いに出しながら
ヨーロッパの審査員を説得するなんて場面もあるわけです。
いまはYouTubeをはじめ、動画を入手することが
便利になりました。
96-97年当時は海外の、過去の作品を集めて見ることは
それだけで一苦労でした。
まぁ、苦労した分だけ、身につくとも言えます。
96年12月に審査員に選出され、
カンヌの審査本番が翌97年6月。
普段の仕事は続けながら、
英語の準備には半年の時間しかありません。
カンヌのリールを見る以外に
英語を書くトレーニングも始めました。
松本亨先生の名テキストブック「英作全集(全10巻)」が
頼りになりました。
人間は、必要や目標があると、それに向かって
努力するものだなぁ、とあらためて感じました。

松本亨英作全集 第1巻―総括編I

松本亨英作全集 第1巻―総括編I

(つづく)

(冒頭の写真は秘湯会副会長が、
 週末の小宴会のために持ってきてくれた
 シングルモルトウィスキー。
 「花と動物」シリーズの一本です。
 とても穏やかで、香りのいいシングルモルトでした)