葛藤、対立、トリュフォー

ベルリンスクール・オブ・クリエーティブ・
リーダーシップでは、2週間のモジュールごとに
ご覧のようなバインダーでテキストを配布して
くれます。これ以外にそれぞれの教授・講師が
当日資料をくれたり、課外に読む本や、DVD、CDを
教えてくれます。消化不良になりそうな分量ですね。
もちろんテキストは暗記するのが目的ではありません。
事前に読んでディスカッションする材料です。
それ以外にその場で出された課題に即興的に答えるエクササイズ、
シミュレーションが次から次へと続きます。
こうした予定をこなすだけでなく、
現実の問題がクラスに起きたときは
それぞれ意見を述べ合い、解決のための結論を出し、
結論にのっとって行動します。
卒業して30年経つので、いま日本の大学では
どんなカリキュラムを実施しているか詳しくは知りません。
しかし、意図的に葛藤や対立を創り出し、
グループで解決を図る訓練はどうも弱いのではないかと思います。
現実に仕事をしているとそうした問題は日々起きるのに、
たいていは問題に直面することを避けたり、
役割、責任、貢献を決定するプロセスが欠如しています。
日本で生まれた価値観を世界に伝えるには
こうした葛藤や対立を意識的に取り入れるのが近道ではないか。
クラスは9カ国から参加しています。
文化の背景や価値観が異なる中で日々実践となります。
正直、ヘトヘトになることもありますね。
午後は、映画監督フランソワ・トリュフォーの仕事から
リーダーシップを学ぶOliver Primusのセッション。
生涯に25作品を監督したトリュフォーの第二作、
Les Mistons(The Mischief Makers)(ショートフィルム)を
見せてもらいました。
こどもの視点がなんとも新鮮でチャーミング。
視点の移動やテンポを出すために、自転車が効果的に使われています。
25作品、全部見たくなっちゃいました。