オーデュボンの祈り

伊坂幸太郎「オーデュボンの祈り」を読む。
城山という名の悪徳警官が出てくる。
実にいやな奴だが
物語にはそうした人物も必要になる。
もし小説を書くとしたら、
自分にワルが書けるだろうか。
嫌いな人間を詳細に描写することは
毒を体内に取り込む作業に思える。

オーデュボンの祈り (新潮文庫)

オーデュボンの祈り (新潮文庫)

未来を見ることができるカカシ、優午が
狂言回しとして登場する。
優午はなぜ死んだか。
自分の死を予測できなかったのか。
架空の島を舞台にした
伊坂のストーリーテリング
ところどころに毒を含みながら
楽しませてくれる。
(文中敬称略)