MatthiasくんのSOS

ベルリンスクールの級友、Matthiasくんから
SOSメールが届いた。
Matthiasくんはハンブルグに住む広告会社のトップで、
今年、娘が生まれた。仕事もきわめて順調である。
寿司の大ファンで彼の昼食は、
Sushi Bento No.1か、
Sushi Bento No.2のどちらかに決まっている。
注文を聞きにやってくる彼の秘書も
No.1かNo.2かを確認するだけでよい。
彼の要望は、
月曜日にクライアントに
プレゼンテーションする材料のひとつとして、
僕の映像インタビューを撮影し
ファイルにして送ってくれというものだった。
金曜遅く、おりしも新人歓迎会が既に始まっており、
僕自身も日曜からのミュンヘン出張を控えて
一日タフなスケジュールをこなしてきたところだった。
しかし、Matthiasくんは僕の大事な級友であり、
これまで僕の求めに応じて
何度も助けてくれてきた人である。
なんとかしなくてはいけない。
まずは、いつも使っているCyber-shot
自分のインタビュー映像を撮影した。
原稿はMatthiasくんの要望に合わせてその場で書いた。
運良く残業していた
インタラクティブ・ディレクターFさんに電話で相談し、
画像を共有サーバにアップした。
その画像をIDとパスワードを使って
ハンブルグでダウンロードしてもらうことに成功した。
Matthiasくんからはすぐにお礼のメールが届いた。
全部で1時間もかからない。
これくらいのことはFさんに助けられなくても
ひとりでやれるようにしたいとは思うが、
それにしても時代が変わりつつあることを実感する。
Web2.0である。ワールド・イズ・フラットである。
Matthiasくんはベルリンスクールのネットワークを通じて、
スイス、チェコイスラエル、ロシア、ルーマニア
ブラジル、アルゼンチンの級友たちのインタビュー画像を
数時間で手に入れ編集したかもしれない。
ともあれ、月曜日のプレゼンテーションが
うまくいくことを祈る。
世界がフラットになっても友情は変わらない。