イッセー尾形これからの生活2008



昨夜は「イッセー尾形これからの生活2008」を
エストホールに観に行った。
イッセーさんと森田オフィスが
エストホールで公演を始めて20年になる。
僕はその前の渋谷ジァンジァンの頃からおじゃましているから
イッセーさんを観始めてどれくらいになるのだろう。


江戸時代にちょいと娯楽を求めるとき、
江戸の人たちが落語を聴くことはあったろう。
僕がイッセーさんの舞台に通うのはそんな気分に似ている。
無論いまだって落語を聴きたければ寄席に行けばいいのだが、
イッセーさんの舞台は新しいのに古典落語の味わいがあるのだ。
昨夜は全部で8本。ジァンジァンでかけていた演目の今様らしい。
着替えまですべて舞台の袖で見せるのがイッセーさんのやり方。
暗転するまで目をつぶり、
あかりが当たってから観るのが僕のやり方。


どの人たちもそこらにいそうでいない人たち。
でも、いなさそうでいそうな人たち。
そんな人間の描き方が僕にはなんだか江戸の落語のようなのだ。


開演前は売店やちゃぶ台、
さらにはマッサージコーナー(無料。予約制)まで登場する。
飲み物、食べ物も全部無料。
いまどき不思議なことだが森田オフィスの流儀なのだ。
僕も冷たいお茶、せんべい、おいなり2ケをいただく。
汗だくの一日だったので氷の入ったお茶がなんともおいしい。


客席にすわって、ところどころ笑いのツボに当たると笑う。
笑うと肩の力が抜ける。
演目と演目の間はちょっとウトウトする。
それがまた心地いい。
そうこうしているうちに二時間が過ぎていく。
僕が江戸時代に生きていて、
イッセーさんが舞台をやっていたとしたら
やっぱり僕はこうして通うような気がするのだ。
商売の合間に、世間の憂さをちょいと忘れるために。