師走初日のイッセーさん



原宿クエストホールに
イッセー尾形これからの生活2008 in 冬の新ネタ」
初日を観に行く。8本の新作を森田雄三演出で発表。


仕草のディテール。
台本ともアドリブとも分からぬセリフ。
観客との阿吽の呼吸。
いつもながら古典落語の味わいである。



上演前のロビーは
「組織された混沌」とも呼ぶべき状態になる。
軽食、ワイン、お茶などが出され、
傍らではマッサージを受ける客がいる。


あちらこちらにちゃぶ台が出て、
友人同士やカップルたちが
開演までのひとときを楽しんでいる。
こうしたサービスはすべて事務所持ちで無料なのである。


一本あたり10分少々の見当だろうか、
どこにでもいそうで、どこにもいない人物が
イッセーさんの肉体、声帯を通じて舞台に現れる。
僕たちはその世界にしばしひたるのだ。


僕がメモランダムのために仮につけたタイトルは
以下の通り。正式タイトルではないので念のため。


  1. ご来迎フラダンス
  2. ファンダメンタル男
  3. 盗難自転車小学生
  4. 三老人の母
  5. おしゃべりバイオリン男
  6. ソファ売り場の女
  7. プラダ前で踊る大阪の女
  8. レインボー商店街のシンガーソングライター


僕は観終えて二三日してから
感想をイッセーさんの事務所にファクスする。
お客さんのアンケート同様に僕の感想も
森田さん夫妻、イッセーさんが読んでくれている。



イッセーさんは『トニー滝谷』で
市川準作品に宮沢りえさんとともに主演している。
人と人はこうしてどこかでつながっている。


僕は未見だが、海外の映画祭で賞をもらったと聞く。