NHKラジオ語学講座09上半期レビュー(その1)

<ドイツ語の巻>


●大谷弘道先生「ドイツ語、基礎のきそ」
(月火水木、各15分)


ドイツ語を再学習しはじめて4年半。
ゆっくりだけど進歩はしている。
ドイツを旅していてもメニューから中身を推測したり、
タクシーの運転手さんと二言三言くらいは会話ができる。
まぁ、ドイツの結婚式の来賓あいさつとなると、
20%も理解できるかどうかなのは仕方ないけれど。



大谷先生の講座は
毎回「表現練習」で基本文をさまざまに変形して
ドイツ語で言ってみるトレーニングがある。
テキストブックを見ないでこれをやるのは結構骨が折れるが
その分、何度かこの練習をすると会話がずいぶん聴き取れるようになる。
効果を自分で体感できるのがなによりよかった。



初級のテキストにしては
視点が素晴らしいダイアローグがたくさんあった。
大谷先生が自身で発見した事実に基づいて書いているからだろう。



●小塩 節先生「ドイツ語うるわし〜心に残る珠玉の名言〜」
(金15分)


週末を迎えるとき、小塩先生の声を聴くのが楽しみだった。
本当に深く渋い、いい声をお持ちである。
声のいい先生の講義は聴いているだけで気持ちがいい。
ドイツ語の諏訪功先生、英語の松本亨先生もいい声の持ち主であり、
声で選ぶ僕のベスト語学講師は、この三人である。



内容はゲーテモーツァルトをはじめ、
ドイツ語圏で偉大な業績を残した人たちの名言を取り上げ、
その背景や歴史、人生などを先生が毎週一回講義する。
自分のボキャブラリーの枠を越えるときもしばしばあるが、
小塩先生の丁寧な解説に耳を傾けていると、
その人が生きていた時代にタイムスリップするような気がする。



先生がNHK講座に登場するのは実に久しぶりのことで、
きっと待ち望んでいたリスナーたちが多かったに違いない。
いつかまた先生が講義してくれる日を楽しみにしている。