何かをしながら待っている


自転車のタイヤを交換してもらっている間、
茶店で本を読んで一服する。



隣りのテーブルでは少女がNintendo DSに夢中になっている。
僕の意識が見ている世界と少女の意識が見ている世界は
きっと似ているようで全然違うんだろうなぁと思う。
少女はふとゲームの手を休めると、
向かいで居眠りしていた父親に
「そろそろじゃない?」と声をかける。



その声が妙にしっかりしていたのと、
父親をたしなめるかのような仕草を眺めていて
こうして少女のうちから
男に対して主導権を握るようになるのだなと感心する。


はて、二人は何を待っていたのかな?