忘れられている椅子の潜在能力

人気の店で昼食を取るときは長居は禁物である。
店の外や入り口に人が待っているのに、
食事を終えて長話しているのは野暮である。



昼食をすませたら
会社に戻ってみんなに忘れられている椅子に腰かける。
ほとんどいつも誰も使っていないのだ。
ここで読みさしの雑誌に目を通す。


こうやって引き出されていない椅子の潜在能力を
引き出してやるのが僕は好きなのだ。
椅子が僕をどう思っているのか
訊いたことがないので分からないけれど。