冬の土手の桜


自分がこの世に存在しなくなったとしても
この土手の桜は春になったら花を咲かせるだろう。



それ自体はあたりまえのことなのだが、
死を受けとめて世界の時間と自分の時間に折り合いをつけ
感情を制御するのはそうたやすいことではない。


三ヶ月だけだったが、
人間や仕事を濃密に教えてくれた上司を見送った、
冬の帰り道。