「なつやすみ雲」、声が聞こえた


雲を描く名人、島倉二千六(ふちむ)さんが描いたような雲。
「なつやすみの雲」である。
「お〜い、忙しがってばかりいないで夏はちゃんと休むんだぞぉ〜」
と雲に言われているような気がする。



錯覚かもしれないが、
僕の心の耳にはそう雲の言葉が聞こえている。
「ハイハイ、言われなくとも、もうじき休みますよ」
と雲に答える。



「みんな、秋から冬にかけても元気で仕事ができるように
8月の暑いうちにちゃんと休んどいてね」
部下たちにも、お節介だとは思うけれど、顔を見るたびに言う。
普段と異なる場所と時間に自分を置き気持ちを解放させることは
現代を生きるために不可欠のクスリなのだ。
副作用はない。



もし副作用があるとすれば、たったひとつ。
映画『チップス先生、さようなら』で
夏休みが終わって初登校するシーンで子どものひとりが言う台詞、
「あ〜、どうして休みには終わりがあるんだろう」。
誰に言うともなく、この言葉がため息とともに出てしまうことだね。
この台詞、僕も毎年言っているような気がする。



  (フジタの猫はただものではない顔をしている)


きょうのタイトルは土屋耕一さんにならって
七七の武玉川(ムタマガワ)で書いてみました。


みなさん、そろそろ、よい夏休みの計画を。