「花折」の鯖寿しがやってきた


シオサイトにあるアド・ミュージアムでアジアの広告を観ていた。
"The Ultra Asian"というアジア広告常設コーナーが
このミュージアムに二週間ほど前に誕生したのだ。
アーカイブに保管したアジアのさまざまな広告賞の受賞作品を
大スクリーンで見せてくれる。
世界中探してもこんな場所は他にない。
興味のある向きには、かなりおすすめである。




   (別のコーナーではアドフェスト2011の
    各部門金賞以上の受賞作品を展示中。6月5日まで)


そろそろデスクに戻ろうか、
もう少しだけ観ていこうかと時計を気にしていたら、
携帯が振動した。着信には知人のMさんの名前がある。
はて、なんの用事だろう?


ミュージアムの外に出て電話すると、
「鯖寿司、渡したいんやけど、いま、どこ?」
とMさんが訊く。
「そっちこそ、どこにいるんや?」
と尋ねたいところだが、
うっかり彼女に質問すると話が長くなる。



ようやく分かったのは以下の物語だ。
前回会って以来Mさんの人生にさまざまなことが起き
5月に大阪の制作会社に入ってプロデューサーに復帰した。
よって、鯖寿司を抱えて営業に走っている。


そんな訳で京都鯖街道花折峠「花折」の鯖寿し1/2本をいただいた。
我が家で鯖寿司の記憶と言えば祇園「いづう」である。
ちょっといけずの婆さんが売っていた鯖寿司は旨かった。
「花折」の鯖寿しは肉厚な鯖を使っていて、
三つもつまめば結構お腹がふくれる。



「もっと仕事をくれそうな重要な人に差し上げたら?」
いただくときに僕がMさんにいちおう確認すると、
Mさんは「そんなん、もらったもん勝ちや」と陽気に笑い、
足早に去っていった。
どんな難しい局面にもへこたれない、
タフな女性プロデューサーなのである。